A治療院 様(社名非公開)


こんにちは。株式会社船井総合研究所 DXコンサルティング部の加藤です。
今回は A治療院様 の成功事例をご紹介します。
A治療院様は、従業員数約30名の治療院です。
長年地域で信頼されてきた治療院ですがが、事業環境の変化という壁に直面。
現状を打破し、新たな成長を目指すため、船井総研にご相談いただきました。
導入前の課題
業務負担軽減と売上維持を両立させる難しさ
業務量の増加に伴い、スタッフ一人あたりの負担が増大していました。
業務量を単純に減らすと売上低下を招くため、売上を維持しつつ業務負担を軽減する施策が必要でしたが、
そのようなバランスの取れた施策は難しく、行えていない状況でした。
顧客管理・売上管理が煩雑
治療院業界において重要な指標である、LTV(顧客生涯価値)の最大化も課題でした。
LTVを最大化するには、日々の売上管理、月間目標達成見込みの把握、未達リスクの早期察知と対応が必要不可欠です。
しかし、施術業務と並行してスプレッドシートへの日次入力・管理を行うことは、現場に多くの負担を強いていました。
手作業のデータ入力を原因とする分析作業遅延・分析難易度の上昇
売上データや来院頻度データを手作業でスプレッドシートに入力していたため、
各担当がデータ入力してくれないことには分析できず、頻繁な分析の実施が困難な状況でした。
また、手作業による入力はデータの正確性にも欠けていました。
長年の営業によりデータ量は増加する一方で、スプレッドシートを使った分析には限界が生じ、
分析結果を基にした施策立案・実行までに遅延が発生することにもなり、機会損失が生じていました。
Zohoを選んだ理由
- 船井総研にZohoとスマレジの連携機能があった
- 顧客管理・営業管理用のアプリケーションとデータ分析やMA用アプリケーションを簡単に連携できる
- 導入コストが比較的安価
売上データは会計のたびにスマレジに自動蓄積されていくため、スマレジと連携できることがシステム選定の必須要件でした。
※スマレジとは、株式会社スマレジによるクラウドPOSレジシステムの名称です。
船井総研にてZohoとスマレジの連携機能を開発・提供していたこと、
ZohoはLTV最大化のために必要な分析機能やMA(マーケティングオートメーション)機能も有すること、
それらが他の類似サービスと比較して安価に導入可能だったことから、Zoho CRM Plusの利用を決断されました。
参考情報
「Zoho CRM Plus」とは何ですか?
Zoho CRM Plus(ゾーホー シーアールエム プラス)とは、ZOHO社が開発・提供している様々な業務用アプリケーションのうち、人気の15個をパッケージにしたサービスの名称です。
「Zoho CRM」と「Zoho CRM Plus」は何が違うのですか?
「Zoho CRM」単体契約で使用できるアプリケーションはZoho CRMのみです。
一方、「Zoho CRM Plus」は、Zoho CRMを含め、下記15個のアプリケーションを使用できます。
- Zoho CRM(顧客管理・営業管理)
- Zoho Desk(カスタマーサポート)
- Zoho Analytics(分析・レポート)
- Zoho Projects(プロジェクト管理)
- Zoho WorkDrive(ファイル共有)
- Zoho SalesIQ(WEB接客・追客)
- Zoho Survey(アンケート)
- Zoho Marketing Automation(マーケティング自動化)
- Zoho Campaigns(メールマガジン配信)
- Zoho LandingPage(ランディングページ制作・管理)
- Zoho PageSense(アクセス解析)
- Zoho Social(SNS管理)
- Zoho Webinar(ウェビナー)
- Zoho Backstage(イベント管理)
- Zoho Cliq(チャット)
Zoho CRM Plusの費用について教えてください!
2025年4月現在のZoho CRM Plus利用料金は下記の通りです。
- 月額契約時:8,280円(1ユーザー/月)(税別)
- 年間契約時:6,840円(1ユーザー/月)(税別)
導入後の効果
手入力作業の削減・売上管理の自動化
フォーム作成用アプリケーションの「Zoho Survey」でお客様情報入力フォームを作成、
このフォームをLINEを使ってお客様に配信し、入力してもらう仕組みを実装しました。
さらに、Zoho CRMとLINEを連携し、Zoho SurveyとLINEを利用して取得した
新規顧客の基本情報(氏名、住所、生年月日等)はZoho CRMに自動登録される仕組みも実装しました。
これらにより、初回の顧客情報取得がスムーズになり、従来必要だったシステムへの手入力作業が大幅に削減されました。
また、スマレジとZoho CRM間も自動データ連携を実現しました。
スマレジに登録された日時売上データはZoho CRMに自動登録され、顧客ごとの売上データがシームレスに紐付けられるため、
売上データの二重入力作業も不要となりました。

データ分析とアクションの高速化
従来はスプレッドシートでデータ管理・分析をしていたために、集計結果をグラフなどで可視化するのにも手間を要していました。
Zoho導入後は、Zoho CRMに蓄積したデータをBIアプリケーション「Zoho Analytics」に自動連携しており、
Zoho Analyticsでグラフ作成などの数値の可視化作業は自動化されたために、分析にかかる手間が大幅に削減できました。
手がかからなくなったことにより、担当者の分析作業に対する時間的・心理的な負荷が下がり、
データ分析の頻度が増え、さらにデータの分析軸も増えたことで、より的確な分析が行えるようになりました。
具体的には、下記のような軸での分析を負担なく行っていただけています。
- 患者ごとの初回来院日
- 最終来院日
- 来院頻度
- LTV(顧客生涯価値)
また、データ分析の頻度が増え、リアルタイムなデータ分析が可能になったことで、
分析結果から即時の施策立案・意思決定・実行が可能になりました。
例えば、前回来院から一定期間経過した顧客を特定し、フォローアクションを適切に行う、
というようなリピート率向上および売上増加(LTV向上)に寄与する仕組みを構築できています。
従業員のモチベーションや満足度の向上
Zohoの導入によって業務負担が軽減・業務効率が向上したことで、
限られた時間をより付加価値の高い業務に充てられるようになりました。
また、分析の簡単さを活かし、各スタッフが自身の業務を主体的に管理・推進できる環境を整備しました。
売り上げに直結する行動が明示化され、その行動が院全体で促進されるとともに、
実行に必要な時間の確保もできるようになったことで、日々の業務に対する従業員のモチベーションや満足度が向上しました。
顧客とのリレーションシップマネジメントの強化
データ分析にもとづくフォローアップの実施ができるようになり、顧客との関係性を強化できる環境を整えることができました。
まとめ
手間な情報入力作業がなくなったことが、従業員のモチベーションアップや売上増加への意識向上にもつながるなど、
従業員の意識変革をも生み出したA治療院様。
すでにDXは当たり前となっている現代においては、「データドリブン経営」も重要なキーワードです。
データドリブン経営とは:従来のような経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた意思決定をする経営手法を指します。
A治療院様ではZohoの導入によって、来院頻度、施術内容、年齢層、購買履歴などにもとづいたデータ分析と意思決定、
すなわちデータドリブン経営が行える環境を整えることができました。
なお、今後はより細分化された分析や効果検証を行い、施策の精度向上を予定しています。
さらに、お客様の来院頻度や購買履歴に応じたLINEメッセージを自動配信するなど、LTVが向上するようなMA施策も検討されています。
デジタルデータを蓄積し、AIとともにデータを有効活用することは、デジタル全盛期の現代においては必須の行動となっています。
デジタルデータの蓄積が必要とは言え、手作業によるデータ入力は工数増大とミスの温床となるため、
システムを利用して早期に自動化を実現し、現場から正確なデータをリアルタイムで収集できる仕組みを整えることが重要です。
この仕組みづくりが早ければ早いほど、業績向上への活路も早く開けます。
データの収集方法や活用方法についてお悩みがある方は、ぜひ船井総研にご相談ください!

船井総研はZohoの認定パートナーです!
船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。
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