お客様成功事例 Zoho CRM での日報管理により、一人あたり15時間/月の労働時間を削減した事例

設備工事業 C社様(社名非公開)

導入担当:小牧

こんにちは。株式会社船井総合研究所 DXコンサルティング部の小牧です。

今回は設備工事業 C社様 の成功事例をご紹介します!

C社様は、従業員30名規模の中小企業です。

とある地方で50年以上も工事業を営まれており、
「地域の顧客に対する真摯な対応」「問い合わせから現地調査までの迅速な対応」など、
カスタマーファーストの BtoB 企業として安定した顧客基盤と事業収益をお持ちです。

導入担当:小牧

まさに企業努力といったカスタマーファーストの取り組みですが、
従業員の業務負担に依存している部分も少なくありませんでした。

特に、施工管理や工事を実施する実働部隊は工場が稼働停止する土曜日・日曜日の実働が多く
準備や見積、施工の段取りなどの事務作業は平日の定時外に残業して行われていました。

「働き方改革」が求められている世相や従業員の定着率なども鑑み、
社長や部長などの幹部陣は業務改善の必要性を強く感じていたものの、
何の業務に時間を要しているのかがわからないために、何を改善すれば良いのかわからない状態でした。

詳細は後述しますが、本ケースの問題点は

「どの案件の」「どのような業務で」「どれくらいの時間を使っているか」

という重要な情報が、紙の日報にしっかり目を通さないとわからない、という点にありました。

そこで、社長・部長がまず目を付けたのが「紙管理の日報のデジタル化」でした。

導入前の課題

  • 工事の実働を担当する社員間で平日の残業や土日の稼働が常態化
  • 従業員の日々の業務は紙の日報で管理
  • 幹部陣に「働き方改革」を推進したい思いはあるものの、改善すべき業務がわからない
導入担当:小牧

C社では、長年の習慣で紙の日報を使っていました。

従業員が紙のフォーマットに沿って日報を作成・提出し、管理職がアドバイスをする、という使い方です。

しかし、その実態は「ただ出しているだけ」「ただ受け取って目を通すだけ」で、形骸化していました。

「紙の日報」は他のクライアント企業でもよくお見かけしますが、
私の体感では、そのうちの半数~7割程でC社のような日報の形骸化が起きているように感じます。

一例として、紙の日報によく見られるフォーマットをご紹介します。

中小企業で用いられている紙の日報の例

中小企業でよく用いられている紙日報イメージ画像

上記画像のように、紙日報を利用する多くの企業で、

  • 開始時間
  • 終了時間
  • 業務名
  • 業務の所感
  • 懸念事項

などの情報がわかるフォーマットを用いられています。

これらを紙で扱っているうちは、ただの一時的な記録でしかありません。

しかし、同じ情報でもデジタル化すると企業の資産となる貴重なデータに進化します。

今回のC社様では、営業情報と顧客情報をデジタルデータで一元管理し、
他の業務も順次DXを推進する目的で、Zoho CRM Plusを導入済みの状況でした。

その流れで「紙の日報をどうにかできないか?」と船井総研にご相談いただき、
業務改善を阻む紙の日報をZoho CRMでデジタルシフトするご支援を実施いたしました。

参考情報

Zoho CRM Plus(ゾーホー シーアールエム プラス)とは、ZOHO社が開発・提供している様々な業務用アプリケーションのうち、人気の15個をパッケージにしたサービスの名称です。

「Zoho CRM」単体契約で使用できるアプリケーションはZoho CRMのみです。

一方、「Zoho CRM Plus」は、Zoho CRMを含め、下記15個のアプリケーションを使用できます。

  • Zoho CRM(顧客管理・営業管理)
  • Zoho Desk(カスタマーサポート)
  • Zoho Analytics(分析・レポート)
  • Zoho Projects(プロジェクト管理)
  • Zoho WorkDrive(ファイル共有)
  • Zoho SalesIQ(WEB接客・追客)
  • Zoho Survey(アンケート)
  • Zoho Marketing Automation(マーケティング自動化)
  • Zoho Campaigns(メールマガジン配信)
  • Zoho LandingPage(ランディングページ制作・管理)
  • Zoho PageSense(アクセス解析)
  • Zoho Social(SNS管理)
  • Zoho Webinar(ウェビナー)
  • Zoho Backstage(イベント管理)
  • Zoho Cliq(チャット)

2025年4月現在のZoho CRM Plus利用料金は下記の通りです。

  • 月額契約時:8,280円(1ユーザー/月)(税別)
  • 年間契約時:6,840円(1ユーザー/月)(税別)

導入後の効果

  • 毎日の業務を紙の日報で提出させているが、形骸化しており、何ら有効活用できていない
  • 案件や業務ごとに要している時間がわからず、労務問題解決のために業務改善をしたくとも改善すべき業務がわからない
  • Zoho CRMに「デジタル日報」を実装し、形骸化した紙の日報から脱却
  • デジタル化により「どの案件の」「どのような業務で」「どれくらいの時間を使っているか」の俯瞰での可視化を実現!
  • 日報データの自動集計・自動レポート生成により、数字データで改善すべき業務を可視化
  • データをもとにした的確な業務改善で一人あたり月15時間の労働時間を削減
導入担当:小牧

本ケースの問題点は、最初に述べたように「どの案件の」「どのような業務で」「どれくらいの時間を使っているか」がわからない、という点にありました。

その原因である紙日報を「一時的な記録情報」から「企業の資産となる貴重なデータ」に進化させるにあたって、重要な検討事項は二つあります。

  • どのように(何を使って)データ化するのか?
  • データをどのように活用すれば理想の状態になるのか?

C社様では、
「どの見込み顧客に営業活動をしているのか」
「どの案件が受注でき、いつから工事が始まるのか」
といった営業活動の情報をZoho CRMで一元管理できています。

工事の実働部隊で生じている労務問題は、営業活動を経て発生するものであるため、
1:どのように(何を使って)データ化するのか?は、
Zoho CRMにデジタル日報機能を実装してデータ化することに決まりました。

次に、2:データをどのように活用すれば理想の状態になるのか?ですが、
可能な限り人手を介さずに入力や集計ができる状態を理想の状態と定義しました。

どのように活用すれば、の詳細についてですが、可視化が必要だった「どの案件の」の情報は、
Zoho CRMから顧客情報・営業活動情報を呼び出すことで入力を簡素化できます。

情報を呼び出すことで、顧客情報・営業活動情報と日報情報を紐づけて管理できるようにもなります。

「どれくらいの時間を使っているか」の情報は、
紙の日報と同じように開始時間と終了時間を入力することでデータ化できるようにしました。

具体的には、「終了時間-開始時間=稼働時間」を自動計算する機能を組み込み、
業務に要した時間を即時に算出します。

「どのような業務で」の情報は、
日報入力時に業務内容を選択形式で登録することで、大まかな業務種類が分かるようにしました。

ここで重要になるのが、「選択形式で」という点です。

日報や商談情報の入力は、自由度が高いほど入力者によって情報の粒度がバラついたり、表記ゆれが発生したりして、データとしてはあまり有効ではない(システムが同一業務のデータと見なせない)ものになってしまいます。

そのため、後々の集計自動化を考慮して、
C社で定義した業務内容を選択形式にする方法で組み込みました。

完成したデジタル日報のフォーマットは下記の通りです。

デジタル日報のフォーマット

デジタル日報のフォーマット画像

このように日報をデジタル化させることで、「どの案件の」「どのような業務で」「どれくらいの時間を使っているか」がデジタルデータとして容易にわかるようにしました。

導入担当:小牧

ここまでで、前述の可能な限り人手を介さずに入力については実現できました。

続いて、可能な限り人手を介さずに集計の段階へと進みます。

本案件では、可能な限り人手を介さずに集計するために、ZohoCRM の標準機能の一つであるレポート機能を活用しました。

集計内容は、「どの案件の」「どのような業務で」「どれくらいの時間を使っているか」を軸にしたものとなります。

具体的には、

  • 案件ごとの稼働時間の集計
  • 稼働種別ごとの稼働時間の集計
  • 担当者ごとの稼働時間の集計

などです。

これらを自動集計し、グラフや表を用いたレポートを自動生成することで、
誰が、どの案件の、どのような業務で、どれくらいの時間を使っているか、
というような実態を視覚的にすぐわかるようにしました。

Zoho CRMで生成したレポートを確認してみると、同社では、

  • 見積作成・請求書作成などの事務処理
  • 案件またぎの移動時間

の2点に改善すべき課題があることが判明しました。

これらのデータから得た事実をもとに、事務員と現場の連携(見積書や請求書の発行を行う積算ツールの作成)、案件配置の見直しによる移動時間の削減に取り組んだ結果、労務問題が生じていた実働部隊で一人あたり15 時間/月もの労働時間削減を実現されました!

導入担当:小牧

ここまでご紹介してきたC社様での取り組みは、
一見見落としがち・放置しがちな日々のルーティン業務を改善する」というテーマでご紹介いたしました。

「会社の文化・習慣として昔から当たり前にやっているが、実態としては形骸化している業務」は、
歴史と伝統のある企業であるほどに生じやすいものです。

そのような業務に気付いたとき、ただ「やめる」ことを安易に選択するのではなく、
「有効活用するにはどうすればよいか?」「この業務をアップデートし続けるには?」
を自問自答し、前向きな改善姿勢を意識的に持つことが、
AI 時代の波に飲まれない経営者であり続けるための必要スキルになってくるのではないかと思います。

今回のC社様では、社長自身がデジタルシフトの旗振りをしてくださっており、
Zoho CRM Plusの導入をサポートした縁で、紙の日報もどうにかできないか、とご相談いただいたものでした。

経営コンサルティングを主業務としつつ、DX特化の社内エンジニアが複数在籍する船井総研では、
漠然としたデジタル化のお悩みであっても丁寧にヒアリングをし、課題解決の道筋をご提案することが可能です。

弊社の技術の公開にもなりうるためにWEBでは公開できない事例も多々ございますので、

「C社様の事例をもっと詳しく聞きたい!標準機能のレポートでできることを知りたい!」

「Zohoでこういうことはできる?」

「自社のこの課題をデジタルで解決したいが、何か策はあるだろうか?」

などなど、DXやZohoに関することはぜひ船井総研にお気軽にお問い合わせください!

船井総研はZohoの認定パートナーです!

船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。

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