
- カテゴリー
- コラム
- タグ
- CRM
はじめに
本コラムでは、ZohoもしくはSalesforceをすでに利用していて移行を検討している方、
CRM・SFAをこれから導入しようとしている方に向けて、
両社のストレージ(データの記憶領域)に絞った機能比較をしています。
データの取り扱い方や大量データの分析が重要になっている昨今、
システムの比較検討時に見落とされがちなデータの保存方法・保存可能容量を
重要な比較検討要素の一つとして意識するきっかけにしていただければ幸いです。
なお、ZohoとSalesforceを基本機能や料金で比較したい方は、下記の記事をご覧ください。
Zohoのストレージについて
Zohoのストレージ容量は、アプリケーションとアプリケーション別のプランによって異なります。
そのため、まずは何のアプリケーションを使いたいのかを明確にする必要があります。
例えば、顧客管理や営業管理に使うアプリケーション「Zoho CRM」のストレージは、
「ファイル容量」と「データ容量」の2種類に分かれます。
本コラムでは一例として、Zoho CRMのストレージについてご紹介します。
ストレージの種類
ファイル容量
Zoho CRMにおけるファイル容量とは、データに関連付けられる添付ファイル(ドキュメントや画像、動画など)のストレージとその容量を指します。
データ容量
Zoho CRMにおけるデータ容量とは、Zoho CRMの各タブ内のデータ(顧客データや見積書データなど、データそのもの)を保存するストレージとその容量を指します。
プラン別の容量
一例に挙げたZoho CRMには、5つのプランがあります。
本コラムでは無料プランと、後述するSalesforceと比較しやすくするために、
有料プランの「エンタープライズプラン」についてご紹介します。
Zoho CRM 無料プラン
- ファイル容量:1GB
- データ容量:10MB
いずれも容量は追加不可です。
Zoho CRM エンタープライズプラン
- ファイル容量:1GB+契約ユーザーライセンス数ごとに1GB
(契約ユーザーライセンス数が50の場合、50GBの追加)
- データ容量:組織ユーザー数によって変動
200人未満の場合は10GB、200人以上の場合は15GBのデータ容量に加えて、
契約ユーザーライセンス数ごとに50MBの容量が追加されます。
(契約ユーザーライセンス数が50の場合、2500MB=2.5GBの追加)
いずれも容量に不足が生じた場合は、容量追加オプションを購入することにより追加可能です。
他のアプリケーションのストレージについては、Zohoのサービスサイトをご参照ください。
Zoho CRMの他プランについては、下記ページの「データ管理」の段落より詳細をご確認いただけます。
クラウドストレージとの連携
Zoho WorkDrive(ゾーホー ワークドライブ)
Zohoには、「Zoho WorkDrive」というZohoのクラウドストレージが存在します。
開発・提供元企業が同じZoho社であるためZoho CRMとZoho Workdriveはシームレスに連携でき、
Zoho CRM内のファイル添付や共有をWorkDrive上で行うことができます。
また、Zoho WorkDriveを利用することでZoho CRMのストレージ容量を効率的に管理し、
チーム内でのファイル共有や共同作業をスムーズに行えるようにもなります。
Zoho WorkDriveの利用料金
Zoho WorkDriveには、無料の個人向けプランと有料のチーム向けプランがあります。
チーム向けプランは、1TBのストレージを月額300円~/ユーザー で利用できます。
ユーザーごとの容量制限やチームフォルダの設定、きめ細かなアクセス権限管理など、
ビジネスに必要な機能が豊富に用意されています。
他社のクラウドストレージとの連携
Zoho WorkDriveだけでなく、BoxやGoogle Driveなど他社のクラウドストレージとも連携可能です。
(※他社のクラウドサービスと連携するには、拡張機能を利用した連携設定が必要です)
Salesforceのストレージについて
Salesforceのストレージ容量は、Zohoのようなアプリケーションごとの区別はありません。
エディション(プランのこと)と契約ユーザーライセンス数によって変動します。
Salesforceのストレージは、大きく分けて「ファイルストレージ」と「データストレージ」の2種類があり、
これらは利用しているアプリケーションの種類や数を問わず、組織全体で共有されます。
Zohoの「ファイル容量」「データ容量」とは名称こそ異なりますが、それぞれの用途はほぼ同じです。
ストレージの種類
ファイルストレージ
ファイルストレージとは、添付ファイル、画像、動画など、非構造化データを保存するストレージとその容量を指します。
データストレージ
データストレージとは、取引先、リード、商談などのレコードや、カスタムオブジェクトのデータを保存するストレージとその容量を指します。
プラン別の容量
本コラムでは、前述のZoho CRM「エンタープライズプラン」と同じ名称である、
「Enterpriseエディション」についてご紹介します。
※Salesforceに無料プランはありません。
Enterpriseエディション
- ファイルストレージ:10GB+契約ユーザーライセンス数ごとに20MB
(契約ユーザーライセンス数が50の場合、1000MB=1GBの追加)
- データストレージ:10GB+契約ユーザーライセンスごとに100MB
(契約ユーザーライセンス数が50の場合、5000MB=5GBの追加)
いずれも容量に不足が生じた場合は、容量追加オプションを購入することにより追加可能です。
クラウドストレージとの連携
他社のクラウドストレージとの連携
Salesforce Files Connect
Salesforceには「Salesforce Files Connect」という標準機能が存在します。
本機能を利用することで、Salesforce内からBox、Google Drive、SharePointなどの
他社のストレージサービスに保存されたファイルへアクセスできるようになります。
ZohoとSalesforceのストレージ比較
Zoho:エンタープライズプラン、Salesforce:Enterprizeエディション、
ともに契約ユーザーラインセンス数を50人と仮定して比較します。
Zoho:ファイル容量 / Salesforce:ファイルストレージ の容量比較
- Zoho:51GB (基本容量10GB+50ユーザー分50GB)
- Salesforce:11GB (基本容量10GB+50ユーザー分1GB)
ZohoとSalesforceで、およそ5倍の差があります。
Zohoと比較して容量が少ないSalesforceですが、追加容量を購入できるほか、Salesforce Files Connectを利用してBoxなどのクラウドストレージと連携することで、Salesforceのレコードに紐づく形でドキュメントをBoxのフォルダに格納できます。
ただし、クラウドストレージの利用料金が別途発生する場合があることに留意してください。
一例として挙げたBoxのビジネス向けプランは、いずれも有料です。
ファイル容量に限って言えば、もとの容量が多く、アプリケーション別のストレージであるZohoに利があると言えます。
Zohoのメール送受信用アプリケーション「Zoho Mail」、チャットコミュニケーション用アプリケーション「Zoho Click」などは添付ファイルの遣り取りでストレージを特に多く使いますが、前述のZoho CRMとはまた別のストレージを利用しています。
それでも不足が生じた場合は、Zoho WorkDriveを利用できます。
Zoho WorkDriveのスタータープランを年契約し、50名で利用した場合、合計14TB(14000GB)を月15,000円(税抜)で利用できます。
参考として、同一人数・年契約でBoxを利用した場合、最安値のBusinessプランでは容量無制限で月99,000円(税抜)となります。
※いずれも2025年5月現在の情報です。
Zoho:データ容量 / Salesforce:データストレージ の容量比較
- Zoho:12.5GB (基本容量10GB+50ユーザー分2.5GB)
- Salesforce:15GB (基本容量10GB+50ユーザー分5GB)
ZohoよりもSalesforceの方がストレージの容量が多くあります。
なお両社とも一人当たりの平均使用量として、1レコードにつき2KBと推定しています。
データ容量/データストレージに保管される各種データの推定使用量については、下記のサイトもあわせてご確認ください。
おわりに
中小・中堅企業がDXを加速させるためには、ZohoやSalesforceといったクラウドプラットフォームのストレージ機能も含めて慎重に選ぶとともに、最大限に活用することも重要です。
そのため導入するシステムの選定時には、自社のビジネスモデル、データ管理のニーズ、将来的な成長戦略を総合的に考慮する必要があります。
データ容量の観点から、ZohoとSalesforceのどちらを導入するのがベストか選びあぐねている場合は、両サービスの導入支援企業である船井総研にお気軽にご相談ください。
また、船井総研のZoho導入支援実績は800社以上、Salesforceからの移行実績も多数ございます。
事例豊富だからこそ、ステークホルダーとの接点においての助言も可能になり、企業様ごとに適切な構成・工数・価格にてZohoへの移行お手伝いができます。
SalesforceからZohoへの移行をご検討中の企業様も、まずはお気軽にご相談くださいませ。

船井総研はZohoの認定パートナーです!
船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。
「社内の業務をDXしたいけど何から手を付けたら良いかかわからない」
「Zohoと他サービスの違いを詳しく教えてほしい」
「Zoho導入に際しての費用やスケジュール感を聞きたい」
「他社がどのようにZohoを活用しているのか具体的な事例を知りたい」
「レガシーシステムからZohoに移行したい」
など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください!