【2025年版】ZohoとSalesforceのCRM機能徹底比較!

船井総研ではZohoとSalesforce双方の導入支援をしているため、「何が違うの?」「どちらが良いの?」というお問い合わせをよくいただきます。

どちらもCRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)として利用することができ、どちらも外資系企業で、どちらもクラウドサービス。概要だけの比較では違いがわかりづらいですよね。

そのため本記事では、最も多い利用用途である「CRM機能」に焦点を当てて、両サービスの違いについて解説します!

実はそれほど違わない?
「Zoho CRM」と「Sales Cloud」のCRM機能比較

まずはZohoとSalesforceの機能比較を見てみましょう!

どちらも様々なアプリケーションや複数アプリを包括利用できるプランが展開されていますが、
本記事では、Zohoは「Zoho CRM」、Salesforceは「Sales Cloud」で比較します。

Zoho CRMSales Cloud
オブジェクトの基本構造見込み客・連絡先・取引先・商談リード(見込み客)・取引先・取引責任者・商談
行動管理予定・タスク行動(カレンダー)・ToDo
オブジェクトのカスタマイズ可能可能
印刷物の出力可能可能
レポート・ダッシュボード可能可能
独自プログラム有り
独自言語:Deluge、クライアントスクリプト
有り
独自言語:Apex
API公開公開
プロセス管理可能可能
ワークフロー可能可能
画面カスタマイズ可能可能
独自AI有り
※エンタープライズ以上のプランに標準搭載
有り
※Einstein 1 Salesプランのみ標準搭載
※他プランではオプション契約が必要
スマートフォンアプリiOS、AndroidiOS、Android
メール配信可能可能
Webフォーム生成可能可能

 

こうして見ると、CRM機能は非常に酷似していることがわかります。

続いて各機能別に詳しく解説していきます。

1.オブジェクトの基本構造・行動管理・カスタマイズ

オブジェクトの基本構造

名称の差こそあれど、分類は全く同じです。

行動管理

使用感と機能は同じです。

オブジェクトのカスタマイズ

Zohoではオブジェクトを「タブ」と呼称する点に違いがありますが、カスタマイズできる点は同じです。

これらは実際の画面で見比べると、大差が無いことがよくわかります。

ホーム画面のヘッダーでの比較

Zoho CRMのホーム画面ヘッダー

Sales Cloudのホーム画面ヘッダー

行動管理機能での比較

Zoho CRMの予定登録画面

Zoho CRMの初期状態での予定一覧画面

初期値は一覧表示だが、追加設定なくカレンダー表示も可能

Sales Cloudの行動登録画面

Sales Cloudの初期状態での行動一覧画面(カレンダー画面)

初期値はカレンダー表示だが、追加設定なく一覧表示も可能

2.印刷物の出力・レポート・ダッシュボード

印刷物の出力

両者ともオブジェクト(タブ)の情報を印刷でき、印刷フォーマットをカスタマイズできます。

レポート・ダッシュボード

両者とも表やグラフ、一覧を出力することができます。

なお、あくまでもサンプルデータのために差別的優位点にはなりませんが、
Zohoは日本語、Sales Cloudは英語にてレポートのサンプルが用意されています。

レポート画面での比較

Zoho CRM初期状態の「すべてのレポート」

SalesCloud初期状態の「すべてのレポート」

3.独自プログラム・API

両者ともJavaScriptに似た専用言語を使用して独自プログラムを書くことができます。 

また、APIなどの外部連携全般もほぼ同等の機能を有しており、
公開されたAPIによって比較的自由にシステム連携を実現することが可能です。

4.プロセス管理

Zohoは「ブループリント」、Sales Cloudは「フロー」という名称の機能にて、プロセスを管理できます。

どちらも任意の条件に応じて、どのような行動をすべきか、どのような情報を収拾すべきか、などを設定できます。

設定時の操作感には違いがあるため、プロセス管理に重きを置く会社様は以下の参考リンクも確認していただきつつ、ぜひ試用してみてください。(どちらも使っているうちに「慣れ」はすると思います)

補足情報

従来、Sales Cloudのプロセス管理機能として「プロセスビルダー」がありましたが、本機能は廃止が予定されており、現在は新規作成を行えません。プロセスビルダーの後継機能が「フロー」です。

5.画面カスタマイズ

Zohoは「Canvas」、Sales Cloudは「Lightning アプリケーションビルダー」という名称の機能にて、ノーコードで自由度の高い一覧画面を作ることができます。

6.AI

Zoho CRMのAI「ZIA」はエンタープライズ以上のプランで標準搭載されます。

SalesforceのAI「Einstein」はEinstein 1 Salesプランのみ標準搭載、他プランでは別途オプション契約が必要です。

7.費用について

以下の表は2025年3月時点の、年契約1ユーザーあたりの月額費用(税別)を記載しています。

各プランの詳細は、参考リンクより各サービスの価格表ページをご確認ください。

Zoho CRMSales Cloud
スタンダード
1,680円
Starter
3,000円
プロフェッショナル
2,760円
ProSuite
12,000円
エンタープライズ
(独自AI標準搭載プラン)
4,800円
Enterprise
19,800円
アルティメット
(独自AI標準搭載プラン)
6,240円
Unlimited
39,600円
Einstein 1 Sales
(独自AI標準搭載プラン)
60,000円
参考リンク

 


SalesforceとZohoのどちらを選ぶべきか?

ここまでの比較で、費用以外は両者ほぼ同じに見えるかと思います。

しかし、運用を想定して各機能をより詳しく見ると細かな差があり、それぞれに比較優位があります。

船井総研ではZoho CRMが優位な点とSales Cloudが優位な点を、それぞれ下記のようにお伝えしています。

 

【Zoho CRMが優位な点】

運用コストの安さ

前述の通り、Sales Cloudと比較して運用コストを圧倒的に安く抑えられます。

仮に社員100人が利用し、かつ独自AIを利用した機能を利用したいとなった場合、
Zoho CRMで機能・容量が最も豊富なアルティメットプラン利用だと、6240円×100人=62万4000円です。

他方、SalesForceで独自AIが標準搭載されるEinstein 1 Salesであれば600万円
最も安いプラン「Starter」に独自AIオプション「Einstein for Sales」を付けたとしても、
(3000円+9000円)×100人=120万円ですので、少なくとも2倍の価格差が生まれます。

これを年間で考えるとZohoの744万8000円に対し、SalesForceは最安値でも1440万円
700万円もの価格差が生まれます。700万もあれば、他にも色々な戦略的投資ができますよね。

ユーザー数が多くなるほどに運用コスト差はより大きく開きますので、
特にユーザー数が多い企業様においては、コスト面でZohoが圧倒的に優位となります。

カスタマイズの容易さ

一概に「カスタマイズ」と言っても、企業ごとに内容や範囲が違いますので定義し難いですが、
両者を扱う船井総研では、設定画面のUIや設定にかかる工数、ノーコード・ローコードでのカスタマイズ性において、Zohoの方が比較的簡単にカスタマイズ可能であると捉えています。

自社プロダクト数(拡張性)

Zohoでは、55種類以上のビジネスアプリが提供されています。
そのうち45以上のアプリを包括的に利用できるサービス「Zoho One」は月額4440円~と導入しやすい価格であるため、拡張性も高いと言えます。

CRMだけでなく、MA、BIなども含めてビジネスプロセス全体のDXを実施する場合においては、Zohoの方が導入ハードルが低く、優位性があります

【Sales Cloudが優位な点】

機能の緻密性

一見するだけではZoho CRMと同じ機能を有していたとしても、
仕様レベルで詳細に比較するとSales Cloudの方が概ね優れていることが多くあります。

例えば、レポート・ダッシュボードという機能が両者に備わっていますが、
Sales Cloudの方がより視認性の良いビジュアルにできます。

「SalesFroceで利用しているこの機能を、Zohoでも全く同じように実装したい」というとき、
Zohoで近しいことはできても、SalesForceの細やかな機能の再現は難しいケースがあります。

日本国内での導入実績数

日本国内においてはSalesforceの方が知名度が高く、各製品の導入実績が全国的に豊富です。

導入支援企業も多いため、日本の商慣習に合わせた事例や活用方法を探すことが比較的容易です。

標準連携できるプロダクト数

前段の通り日本国内で普及しているという強みがあるために、特に国産システムと連携する際は、Sales Cloudの方がノーコードで連携できる(標準機能の範囲で連携できる)システムが多いという優位性があります。

ただ、公開APIの機能を比較するとSalesForceもZohoもほぼ同等なため、
連携機能を開発することを前提とした場合、連携プロダクト数の差異はそう無いと言えます。

まとめ

Zoho CRMとSales Cloudは、ここまでに述べた通り、機能の差異が非常にわかりづらいサービスです。

そのため実際に導入する際には、自社の業務内容やそのフロー、DX化するに際して重視する点などを洗い出して分析・協議しながら、精緻に比較検討する必要があります。

ZohoとSalesforceのどちらを導入するのがベストか選びあぐねている場合、
両サービスの導入支援企業である船井総研にお気軽にご相談ください。

また、船井総研のZoho導入支援実績は800社以上SalesForceからの移行実績も多数ございます。

事例豊富だからこそ、適切な構成・工数・価格にてZohoへの移行お手伝いができますので、
SalesForceからZohoへの移行をご検討中の企業様も、まずは以下よりお気軽にご相談くださいませ。

 

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