Zoho・Salesforceで実現!ステークホルダーとの関係性を強化する仕組みづくり

はじめに

本コラムでは、ZohoもしくはSalesforceをすでに利用している方、
CRM・SFAをこれから導入しようとしている方、
顧客や仕入れ先などのステークホルダーとの接点強化施策を検討している方に向けて、
ZohoとSalesforceの機能比較などを掲載しています。

ZohoとSalesforceを基本機能や料金で比較したい方は、下記の記事をご覧ください。

ステークホルダーとは

ステークホルダーとは、企業や組織の活動によって影響を受ける
または影響を与える可能性のあるすべての利害関係者を指します。

具体的には、株主、従業員、顧客、取引先、地域社会、仕入先や卸先などが挙げられます。

企業や組織が持続的に成長していくためには、これらの多様なステークホルダーと良好な関係を築き、
それぞれのニーズや期待に応えていくことが重要です。

ステークホルダーと接点を持つメリット

ステークホルダーとの接点は非常に重要です。
良好な関係を築くことは、企業や組織にとって下記のような多くのメリットをもたらします。

  • 信頼と評判の向上
    ステークホルダーとの対話を通じて透明性を高め、誠実な姿勢を示すことで、信頼を得やすくなります。
    これは企業の評判向上にも繋がり、ブランド価値を高めます。
  • 事業活動の円滑化
    各ステークホルダーのニーズや期待を理解し、適切に対応することで、協力関係を築きやすくなります。
    例えば、従業員のモチベーション向上、顧客満足度の向上、取引先との安定的な関係構築などが期待できます。
  • 新たな機会の創出
    ステークホルダーとの対話の中から、新たなビジネスのアイデアや市場ニーズを発見できることがあります。

逆に、ステークホルダーとのコミュニケーションを怠ると、
不信感や不満が高まり、事業活動に支障をきたす可能性があります。

ビジネスの場面では、訪問、電話、メール、チャットなど様々なコミュニケーション方法が利用できますが、
皆様はステークホルダーとの接点をどのようにして構築されていますでしょうか。

個人の徹底した情報管理と努力さえあれば、上記のコミュニケーション方法はどれも有効に機能します。

しかしながら、人手不足が社会問題化している現代ビジネスにおいては個人レベルの管理ではなく、
担当者が誰であってもステークホルダーとの接点を持ち、手厚く対応できるような仕組み化こそが重要です。

ステークホルダーとの関係性を強化する仕組みづくり

さて、ここからが本コラムの本題です。

CRM(顧客管理)やSFA(営業管理)を実現する製品には、
営業活動で関わりのあるステークホルダーとの関係性を強化する機能が用意されているものが多くあります。

本コラムでは、Salesforceの「Experience Cloud」、
Zohoの「Zoho CRMのポータル機能」と「Zoho Creator」についてご紹介します。

これらの製品はいずれもCRM機能を持つ製品とのシームレスな連携ができ、
ステークホルダーとの接点で顧客データやビジネスプロセスを活用できる点が共通しています。

例えば、ご紹介する製品を使うことで下記のようなシステムを構築できます。

  • カスタマーサポートサイト(商品一覧の表示、問合せ管理)
    顧客との新しい接点によるカスタマーサクセスを実現
    CRM側に保存したドキュメントや画像は顧客にも共有可能
  • パートナーコミュニティ (見込み顧客共有、商談管理)
    企業と販売代理店との協力関係を促進し、迅速な営業活動を実現
    営業情報をデータで共有する事で、営業、サービス、マーケティングを効率化できる
  • 社内コミュニティ (社内コラボレーション、情報共有)
    社内情報格差を減らし、重要情報をいち早く社員に浸透させる

なお、本コラムでは下記の定義にもとづいて用語を利用しています。

本コラムで使う用語の定義

  • カスタマー:顧客、消費者
  • パートナー:仕入先、卸先、販売協力会社、事業提携先
  • 外部ユーザー:自社従業員以外にシステムにアクセスするユーザー。カスタマーやパートナーを含む。(≒ステークホルダー)

続いて、各製品の特徴を説明していきます。

Saleforceの「Experience Cloud」とは

Salesforce Experience Cloud

SalesforceのExperience Cloudとは、Salesforceの操作性そのままに、
ステークホルダーと情報共有やコラボレーションを行うためのWebサイトを構築・管理できるサービスです。
(2021年までの旧名称:Community Cloud)

Salesforce自体がローコード製品であることと同様に、
Experience Cloudで構築するWebサイトもローコード開発で作成できます。

Experience Cloudを導入し、社内機械の稼働状況・生産状況を顧客自らが把握したり、
オンラインショップを通じて消耗品を発注したりすることのできる顧客専用サイトを立ち上げた例もあります。

Zohoの「Zoho CRMのポータル機能」と「Zoho Creator」とは

Zoho CRMのポータル機能

Zoho CRMは、Zoho社が提供している顧客管理や営業管理に特化したシステムです。

その中の「ポータル機能」とは、Zoho CRMに登録されているデータの一部を、
外部のユーザーがWebブラウザを通じてアクセスできるようにするための機能を指します。

Zoho CRMならびにポータル機能を導入し、パートナーとの関係強化を仕組化した事例を下記よりご確認いただけます。

Zoho Creator

Zoho CRMはパッケージングされた製品ですが、
自社の業務に沿ったシステムを開発したいという要望を持つ企業様も数多くいらっしゃいます。

そんなときに利用を検討いただきたいのが、ローコード開発プラットフォームである「Zoho Creator」です。

Zoho Creatorは、業務用アプリケーションをローコードで柔軟に作成することに特化しています。
外部ユーザー向けのポータル構築も、その機能の一部として提供されています。

Zoho Creatorを使う最大のメリットは、Zohoの他システムと容易に連携が可能であるという点です。

Zohoには、45種類以上ものZohoアプリケーションが利用可能な「Zoho One」という製品があり、
先述したZoho CRMもZoho Creatorも「Zoho One」に含まれています。

そのほかの製品群との親和性も含めて考えると、Zoho Creatorでの構築は非常に魅力的なものとなります。

製品比較

CRM側のデータ表示、削除、編集

  • データを共有するという点において、3製品に優位差はありません。

Salesforce Experience Cloud、Zoho CRMのポータル機能、Zoho Creatorのいずれも、
CRM側のデータをポータルサイトで表示することが可能です。

ポータルサイトでのデータ表示は権限設定で管理でき、
データごと(Salesforceならオブジェクト、Zohoならタブ)に権限を設定可能です。

本機能によりステークホルダーとの情報共有を容易にし、関係性強化を助けます。

HTMLによるページ作成

  • Zoho CRMのポータル機能は、HTMLによる独自ページの作成ができず、
    カスタマイズ性を期待することはあまりできません。
  • Zoho CreatorとSalesforce Experience CloudにはHTMLが利用可能なビルダー画面があり、
    よりUIの優れた画面を作成することができます。

特権ユーザーの作成

  • Zoho CRMのポータル機能は、ポータル上に特権ユーザーを作成することはできません。
  • Zoho CreatorとSalesforce Experience Cloudは特権管理者を準備することも可能です。

Zoho Creatorは標準機能で実現できるというよりも、作りこむというイメージです。

Salesforce Experience Cloudについては注意が必要で、
ライセンスにより特権ユーザーが作成不可とされている場合もあります。
Salesforce Experience Cloudを利用して特権ユーザーも作成したい場合は、
Salesforceへの見積もり依頼時にお伝えください。

レポートダッシュボード機能

  • CRM側に蓄積されたデータでレポートを作成したとき、
    Zoho CRMのポータル機能はそのレポートをポータル上に表示できません。
  • Zoho CreatorとSalesforce Experience Cloudは表示可能です。
    特にSalesforce Experience Cloudはレポートを作成する権限を与えることも可能です。

外部システム連携

  • Zoho CRMのポータル機能は、サードパーティとの連携機能が用意されていません。
  • Zoho CreatorとSalesforce Experience Cloudは、サードパーティ製品との連携や画面への埋め込みが可能です。

連携できる製品数に関しては、サードパーティマーケットの規模が大きいExperience Cloudに優位性があります。

ライセンス体系と価格

Experience Cloud

Experience Cloudのライセンスの考え方は、1ライセンスの単位をユーザー数かログイン数のどちらにするかという面、何をどこまで実現するかの機能の面の二つの大きな選択肢があります。

ユーザー数単位は言葉の通りで、Salesforce Experience Cloudに何人のユーザーが有効な状態で登録されているかです。

対してログイン数は、ひと月の間にどれだけの人物がサイトにログインするかです。
また、何をどこまで、という機能差は下記の公式サイトを参照してください。

なお、Experience Cloudは正式な価格は公開されていませんので、本コラムでも掲載を差し控えさせていただきます。

Zoho Creator

  • スタンダード ¥960/月額換算
  • プロフェッショナル ¥2400/月額換算
  • エンタープライズ ¥3000/月額換算

※価格はいずれも1ユーザーあたりの年契約の税抜金額です

各プランごとの機能詳細については下記サイトをご参照ください。

なお、外部ユーザーとの共同利用を想定する場合、カスタマーポータルアドオンの料金が追加されます。
カスタマーポータルアドオンは、何人のユーザーが利用するかで金額が変動します。

参考情報

Zoho Creatorについてご興味のある方は、ぜひ下記の記事もあわせてご覧ください。

Zoho CRMのポータル機能

Zoho CRMのポータル機能は、2025年5月現在、1000人までの外部ユーザー招待は基本利用無料です。

1001人以上のユーザーを招待したい場合は、追加の料金を支払う必要があります。

ただし、Zoho CRMのポータル機能を利用するには、
Zoho CRMの「エンタープライズ」もしくは「アルティメット」プランの契約が必要です。

  • エンタープライズ ¥4800/月額換算
  • アルティメット ¥6240/月額換算

※価格はいずれも1ユーザーあたりの年契約の税抜金額です

各プランごとの機能詳細やポータル機能の詳細については下記サイトをご参照ください。

船井総研の社内エンジニアが解説!
製品選定時のポイント

どのプラットフォームが最適かは、組織の規模、予算、技術的な専門知識、具体的な要件によって異なります。
価格だけを見てしまうと、Zoho CRMのポータル機能の「無料」に目を惹かれますが、
本当に実現したいことができるのかどうか、要件を満たすのかどうかを見極めてください。

使いやすさとコスト効率を重視する組織の場合、もしくはスモールスタートしたいという場合は、
Zoho CRMのポータルが適している可能性があります。

特に、Zohoのエコシステムを既に利用している場合は、連携のメリットを活かせます。

Zohoの他製品も利用されておりオールインワンのシステムを作成する事を検討していたり、実システムに近いような高度なUIの実現を目指したりするのであれば、Zoho Creatorが適している可能性があります。

大規模な組織や、高度な管理機能、高度な共有ルール、Salesforceとの深い連携を求める組織はSalesforceのExperience Cloudが適していると考えられます。

最終的な決定を下す前に、それぞれのプラットフォームのトライアル版を利用したり、デモを依頼したりして、実際に操作感を試してみることをお勧めします。

おわりに

ステークホルダーとの新しい接点構築や関係性強化にデジタルツールを導入することで、
自社だけでなく、自社と関わりのあるステークホルダーとともに成長し続けることが可能になります。

ZohoとSalesforceなど、どのサービスを導入するのがベストか選びあぐねている場合は、
両サービスの導入支援企業である船井総研にお気軽にご相談ください。

船井総研のZoho導入支援実績は800社以上、他システムからの移行実績も多数ございます。
Zohoへの移行をご検討中の企業様も、まずはお気軽にご相談くださいませ。

船井総研はZohoの認定パートナーです!

船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。

「社内の業務をDXしたいけど何から手を付けたら良いかかわからない

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など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください!

               

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