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はじめに
SFA(営業支援システム)導入を成功させるためには、要件定義を適切に進めることが不可欠です。
要件定義は、導入するSFAが企業の営業活動に真に貢献するための基盤となります。
本コラムでは、SFA導入を検討している方に向けて、要件定義の進め方について詳しく解説します。
要件定義とは
要件定義とは、開発するシステムに何が必要か、何をすべきかを明確にする作業を指します。
この工程が不十分だと、後の開発で手戻りや手直しが発生し、
プロジェクトの失敗につながる可能性があるため、非常に重要な作業工程と言えます。
現状分析と課題の特定
SFA導入の第一歩は、現在の営業活動の「見える化」と課題の特定です。
まず、リード獲得から商談、成約、そしてアフターフォローに至るまでの一連の営業プロセスを詳細に洗い出し、
フローチャートなどで可視化します。
このとき、営業担当者へのヒアリングを綿密に行い、実際の業務フローを把握することが重要です。
次に、各プロセスにおける非効率な点、ボトルネック、情報共有の不足といった課題を具体的に特定します。
よくある課題の例
- 案件の進捗状況が属人化しており、チーム内で共有されていない
- 顧客情報が部署ごとに散在している
- 日報作成に時間がかかり、本来の営業活動を圧迫している
既存の顧客管理や営業管理方法(例:スプレッドシートでの管理など)の評価も行い、
何が問題で、SFA導入によって何を改善したいのかを明確にします。
目的・目標の明確化
現状の課題が特定できたら、SFA導入によって何を達成したいのか、具体的な目的と目標を設定します。
単に「営業を効率化したい」だけでなく、
「営業生産性をX%向上させる」「案件成約率をY%アップさせる」「顧客満足度を高める」など、
測定可能なKPI(重要業績評価指標)を設けることが重要です。
これにより、導入後の効果測定が可能となり、SFAが目指すべき方向性が明確になります。
SFAは、「売上=案件数×受注率×平均単価」という業績アップの方程式において、
「受注率」と「平均単価」を高めるためのツールと位置付けられます。
業績アップの方程式
売上=案件数×受注率×平均単価
★赤文字部分をSFA導入・有効活用により向上可能!
要件の洗い出し
目的・目標に基づき、SFAに求める具体的な要件を洗い出します。
要件は大きく機能要件と非機能要件に分けられます。
機能要件
機能要件とは、SFAが備えるべき具体的な機能を指します。
機能要件の一例
- 顧客管理機能(既存顧客、新規・見込み顧客の管理、企業ランク付けなど)
- 商談管理機能(進捗管理、案件種別の蓄積、売上・粗利管理など、案件のステージ可視化)
- 活動管理機能(訪問履歴、活動報告、スケジュール管理など)
- 営業日報
- 予実管理
- 名刺管理
- 分析・レポート機能
これらの機能は、営業業務の仕組み化や進捗報告・情報共有の定型化に貢献し、
属人的な営業からの脱却を促します。
自社の業務フローに合わせて、最適な形を構築していくことが重要です。
非機能要件
非機能要件とは、システムの性能、セキュリティ、可用性、拡張性、操作性(UI/UX)、
他システムとの連携といった、機能以外の要件です。
非機能要件の一例
- レスポンス速度
- データアクセス権限
- システム稼働時間
- 将来的な利用者増加への対応
- 既存のMAツール
- BIツールとの連携
優先順位付けとスコープの決定
洗い出した要件すべてを一度に実現することは、コストや期間の面で非現実的です。
そのため、それぞれの要件に対して、ビジネスへの影響度、実現の難易度、
費用対効果などを考慮し、優先順位をつけます。
その上で、どの範囲(スコープ)までをSFAでカバーするのかを決定し、必要に応じてフェーズ分けを検討します。
要件定義書の作成と合意形成
一般的な要件定義を含むプロジェクトでは、決定したすべての要件を「要件定義書」として文書化します。
要件定義書には、プロジェクトの目的・目標、現状分析、システム化の範囲、詳細な機能要件、
非機能要件、システム構成イメージ、利用ユーザーやロール、データ移行、他システム連携などが含まれます。
この要件定義書は、経営層、営業部門、情報システム部門、そして導入を依頼するベンダーなど、
すべての関係者と共有し、認識の齟齬がないよう合意形成を図ることが非常に重要です。
要件定義書の作成や各方面との調整などは専門的な知見や相応の工数を必要としますので、
無理に自社ですべてを対応しようとするのではなく、当社のような支援企業の利用もご検討ください。
なお船井総研では、お客様の業務に合わせたDX全体設計・グランドデザインを策定し、
業績向上に繋がる要件整理を支援しています。
ベンダー選定と要件のすり合わせ
要件定義書をもとに、複数のSFAベンダーにRFP(提案依頼書)を提出し、提案を募ります。
提案内容を評価し、選定したベンダーと要件定義書の内容をすり合わせ、
システムで実現可能な範囲や費用、導入後のサポート体制などを最終的に確認します。
要件定義は、SFA導入の成否を左右する重要なプロセスです。
現場の声を十分に吸い上げ、ビジネス目標と紐づけた具体的な要件を定義し、
関係者間で認識を共有することで、SFAが企業の営業力強化に最大限貢献するシステムとなるでしょう。

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