基幹システム刷新の実践ガイド:失敗例から学ぶ重要な手順とポイント

近年、基幹システムの刷新を重要視する声が多くあります。

その理由の一つは、経済産業省の挙げる「2025年の崖問題」にあると考えられます。

2025年の崖問題では、「既存システムのレガシー化」や「IT市場の急速な変化に対応できない」などの課題が経済損失につながる、と示唆されています

顧客とのコミュニケーションチャネルや価値観が多様化する現代において、

基幹システムは時代の流れに合わせて柔軟に拡張できるようにする事が重要となります。


そこで今回は、基幹システムの刷新を検討されている方に向けて、

システム刷新の実践ステップをお伝え致します。

基幹システム刷新の重要なステップ

ステップ1:プロジェクト目的の明確化

まず、プロジェクトの目的を言語化する必要があります。

例えば「コスト削減」「業務効率化」「データ活用」など、具体的な目標を設定し、KPI(重要業績評価指標)を設定します。KPIを設定することで、システム導入の成功可否が判断し易くなります

失敗例:プロジェクトの言語化を行わなかった為、必要な機能の優先度付けが上手くできず、スケジュールの遅延や導入コストの増加につながることがあります。

ステップ2:事業の全体像の把握

基幹システムの刷新となると、その周辺業務にだけ目が行きがちです。

しかし、基幹システムの刷新が、今後の事業全体の成長に寄与するかを検討する事が重要です。
そのため、事業に関わる利害関係者や、各部署がどのように関わっているのか

「業務全体図」や「ステークホルダー関連図」として整理します。

一つのシステムにとらわれず、グランドデザインを策定することで、全ての業務を最適化する事ができます

失敗例:全体を整理せずに進めた場合、刷新するシステムの選定で必要な要件の漏れや、必要な関係者から要求を取得できないことがあります。

ステップ3:現状分析と課題の可視化

次に、業務フローの棚卸と可視化を行います。

これにより、現状の非効率な点、ボトルネック、重複作業、属人化している業務などを洗い出すことができます。ここで明確にした課題を解決すれば「プロジェクトの目的を達成できるか」という観点などから優先順位をつけます。

失敗例:業務フローを棚卸を行わない場合、システムに必要な断片的な機能しか洗い出ししできず、業務プロセスの改善ができないことがあります。

ステップ4:理想の業務フローの可視化

現状の課題を踏まえ、あるべき姿の業務フロー(To-Be)を設計します。

ここで重要なのは、リプレイスするシステムに依存せず、理想を整理することです。

単なる現状踏襲ではなく、業務改革の視点を取り入れ、標準化や自動化を積極的に検討します。

また、機能要件(受注処理、在庫管理)や非機能要件(拡張性、クラウド対応)を整理します。

失敗例:理想の業務フローを検討せずに、新システムに合わせた業務フローのみを検討した結果、システムに依存した業務プロセスとなことがあります。

ステップ5:新システムを用いてどのように運用できるか確認

ベンダーと協力し、機能要件、非機能要件をさらに具体化し、要件定義書としてまとめます。

新システムに合わせて、業務フローを再設計します。

この際、現行業務の「あるべき姿」を追求し、不要な作業の廃止や効率化を徹底します。

失敗例:新システムを用いた業務フローを整理しなかった場合、後からシステムの制約により意図した業務フローが実現できないことがあります。

ステップ6:システムの開発

システムの開発期間においても、積極的にベンダーと関わる事を推奨します。

例えば、定期的な進捗確認会議や週1回のレビュー会議を実施する等です。

失敗例:定期的なレビュー実施しなかった場合、使ってみてから操作性等の課題が見つかり、改修に時間がかかることがあります。

ステップ7:テスト計画と実行

テストはベンダーに全て任せるのではなく、業務シナリオに基づいたテスト(ユーザー受入テスト)を実施し、システムの機能性、正確性を確認します。

この際、新旧のシステムで同じ結果が出力されることを確認し 、新システムでこれまで通り業務が行えることを確認します。

失敗例:業務シナリオに沿ったテスト計画を立てていなかった場合、本稼働後にテストができていない業務パターンが見つかる事があります。

ステップ8:データ移行計画と実行

データ移行はベンダーに全て任せるのではなく、現在のシステムのデータをクレンジングする必要があるのかなど整理する必要があります。

また、一括で移行するのか段階的に移行するのか等、現場の業務状況に応じて検討が必要です。

データ移行をしっかり検討することで、今後のデータ分析や業務のシステム切替時の運用に大きく影響します。

失敗例:データのクレンジングを計画しなかった場合、新システム切替後に想定したデータの分析が行えない事があります。

以上が、基幹システムを刷新する際の重要なステップです。

他にも、案件に合わせて必要なステップは様々ございますが、参考にして頂けますと幸いです。

これらのステップ以外にも、基幹システムの刷新のプロジェクトにおける重要なポイントがあります。

基幹システム刷新のプロジェクトにおける重要なポイント

ポイント1:プロジェクトの体制を明確にする

プロジェクト体制を明確にすることで、意思決定を迅速に行うことができます。

また、体制を整理することで、コミュニケーションのルールも策定することができます。

失敗例:プロジェクト体制を整えない場合、意思決定する人が曖昧になり、一度決定事項に変更が入ることがあります。

ポイント2:コミュニケーションの計画を立てる

いつ、何の会議を、どのような目的で開催するかを一覧で纏めます。

これにより、どのタイミングで何を決定するのか明確にすることができます。

失敗例:コミュニケーション計画を立てないことで、場当たり的な意思決定となり、合意形成がスムーズにできないことがあります。

ポイント3:スケジュールの計画を立てる

いつまでに何の作業を完了させるのか、事前に計画を立てておくことが重要です。

例えば、見積機能は〇月〇日迄、受注機能は〇月〇日迄のようにガントチャートの様なフォーマットで計画を立てていきます。

もし、アジャイルプロジェクトのように作業内容の詳細が事前に決まっていない場合は、全体の作業時間を事前に把握しておき、毎週〇時間稼働するという計画でスケジュールの把握をします。

アジャイルプロジェクトでは、バーンダウンチャートを用いて、消化ポイントや時間で計画通り実行されているか把握を行います。

失敗例:スケジュールを立てて進捗管理しない場合、作業の全体像が把握できず遅延や品質 が低下することがあります。

いかがでしたでしょうか。基幹システムのリプレイスは、企業にとって重要なプロジェクトです。

本来あるべき業務像を描き、最適なシステムの選定と構築を実施できる一助となれば幸いです。

どのようなシステムで刷新すればよいのか

最後に、基幹システムを刷新する際にどのようなシステムを採用すればよいのでしょうか。

筆者の考えでは、継続的に機能追加が行われているサービスで刷新することが望ましいと考えています。

例えば、継続的に機能追加が行われるサービスであれば、AI機能で要約や感情分析、解約予測などが可能です。

またシステム間の連携が容易にでき、時代の成長に合ったシステムを使い続けられる特徴があります。

このような特徴を持つシステムの1つにZohoがあります。

Zohoはノーコード、ローコードでシステムを作ることができ、拡張性が非常に高いです。

また独自のAI機能であるZiaを搭載しており、積極的にAI機能が追加されております。

当社では、Zoho導入の専門部隊や業務やシステムのあるべき姿を明確にするグランドデザインの策定の専門部隊がおります。基幹システムの刷新に悩まれている方は、是非弊社までご連絡ください。

お悩みに合わせてご相談をお受けします。

船井総研はZohoの認定パートナーです!

船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。

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