「2025年の崖」ついに到来! ~DX支援の立場から見る、2024年の振り返りと2025年にすべきこと~

片山

皆様こんにちは。

船井総合研究所 DX支援本部 副本部長の片山です。

突然ですが、「2025年の崖」という言葉をご存知でしょうか?
こちらは2018年に経済産業省が発表したDXレポートで用いられた言葉であり、
経済産業省から日本企業への警鐘でもあります。

データの適正な利活用ができない場合、
デジタル競争の敗者になるだけでなく、システム維持管理費の高額化
サイバーセキュリティやシステムトラブルといったリスクの高まりなどにより、
2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があると試算されました。

この先の事業成長・日本企業の成長のための大転換点とも言える2025年、
皆様はどのような新しい取り組みをスタートされますでしょうか。

本コラムでは、私片山がDX支援の立場から昨年2024年を軽く振り返りつつ、
皆様の2025年の取り組みの一助となるであろう情報をお届けします。

“大倒産時代”の幕開け
中小企業の優勝劣敗が進んだ2024年

帝国データバンクの倒産集計(1月~12月)によると、
2024年の企業倒産件数は9901件、2014年以降で最多の倒産件数となりました。

こうした背景から新聞や各種メディアは「2024年は大倒産時代の幕開け」と報じています。

ここで過去のケースと大きく異なる点は、業界やエリアによって好不況が語れなくなっている、ということです。

つまり同じ業界、あるいは同じエリアであっても、「業績が良い会社」「業績が悪い会社」と優勝劣敗が進み、
まだら景気(=景気が良い会社と悪い会社が入り交ざっている)”と言われる現象が起きています。

そして特に中小企業においては、この傾向が顕著です。

DX支援の立場から見た2024年

冒頭で述べた「2025年の崖」が発せられた2018年9月、
当時における既存システムの技術面の老朽化
企業単位ではなく事業部単位で最適化をしたことによるシステムの肥大化・複雑化
それらを保守するエンジニアの定年退職によるブラックボックス化が問題視され、
これらの問題が残存し続けた場合、既存システムのサポート終了とも相まって、
2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が起こる可能性があると試算されました。

実際にどうだったのか2024年のご支援を振り返ってみると、特に従業員300名未満の企業様より、

「レガシーな基幹システムを保守・メンテナンスできる社員が高齢で退職予定」
「開発を依頼したベンダーから、これ以上保守・メンテナンスができないと言われた」
「ハードそのもののサポート期間がきれていて、万が一ハードが壊れたら全てのデータが無くなるリスクがある」

といったお話しをかなり日常茶飯事のようにお聞きしました

多くの中小企業において、経済産業省の警鐘通りのことが起きているように感じます。

勝ち組の中小企業「社長」が取り組むのはCRMの導入

大多数の中小企業が業績を落とす中、「勝ち組」の社長もいらっしゃいます。

そのような方々は、何に取り組んでいるのか。

ずばり、その答えは「CRMの導入」です。

CRMとは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略語であり、直訳すると「顧客管理システム」です。

CRMの概念そのものは40年ほど前からありましたが、
ここ5年ほどは「クラウド」「ローコード」といった新たな技術により機能が飛躍的に向上しており、
導入時のハードルやコスト、運用時の負荷も下がっています。

こうした著名なCRMには、「セールスフォースドットコム」や「Zoho(ゾーホー)」の名が挙がります。

従来、デジタルツールの導入には専門的な知識を要し、開発期間もコストも膨大なものでした。

しかし現在は前述したとおり、クラウド型(インターネットを通じたサービス提供形態)が発展し、
ローコード開発(高度なプログラミング技術を要しない開発手法)が普及しています。

実際、ご支援に入る先でも、従来型のデジタルツール導入の経験、ともすれば過去の導入失敗談から、
DXの必要性を感じてはいるが、自社にデジタル人材・IT人材がいない(だからDXできない)」
営業社員の年齢層が高く、デジタルに苦手意識がある(だからDXできない)
というお声を聴くことが幾度かありました。

本記事をお読みになられている方に、もしそのような悪しき思い込みがあるのであれば、
今はもうその時代から変わっているのだと、導入も利用も従来型より遥かに簡単になっているのだと、
まずはご自身の認識を改めていただきたく思います。

CRMを導入すべき理由

DX=デジタル・トランスフォーメーションが指し示すものは多岐にわたります。

その中で弊社が各所において「まずはCRM導入を」とお伝えしていることの背景としまして、
CRMを導入することで次のようなことが実現できます。

  1. 日報が単なる文字情報でなく、誰が・どこに・何をしたかがわかるデータとなる。
  2. 複数事業間の顧客情報が共有され、自社商品情報が顧客にくまなく行き渡る。
  3. 複数部門で顧客情報が共有されることでリードタイムが大幅に短縮する。
  4. 自社の商品・サービスに興味関心のある顧客を察知してアクションが打てる。
  5. 受注率・成約率が向上し、商談・案件が増える。
  6. その他

これらはすなわち、顧客情報という経営資源を最大限有効活用できている状態、と言えます。

業績がイマイチあるいは以前ほど儲かっていない会社の共通点は、
この顧客情報が会社として管理されているのではなく、部門ごとに、
下手をすると担当者ごとにエクセル等での顧客データとして管理されています。

その結果、

・会社として戦略的にPRしたい商品やサービスが、自社の顧客に伝わっていない。
・せっかく複数事業を手掛けているのに、お互いの事業部同士で顧客情報が共有されていない。
・結果(=売上・利益)としてのデータは把握できているが、プロセスのデータが把握できない。

という問題が生じます。

「紙」や「エクセル」による日報管理のマズさ

多くの企業が取得・管理している顧客情報の1つに、日報があります。

CRMを導入していない会社の多くが、エクセルや場合によっては紙の日報を使用しています。

紙はもちろんのことですが、エクセルの日報は何がマズいのかというと、
文字情報でしかないので、そのときは読まれても、その後全く活用ができないという点です。

つまり、結構な時間をかけて社員に日報を作成させたとしても、本当にその時のみのスポットの効果しか出ません。

これに対してCRMで日報を作成すれば、入力された情報は全て「データ」としてその後活用することができます。

具体的には、

・誰が、どんな仕事を、いつ、どれくらい行ったのかがわかる。
・どんな客層・エリア・業種に対して、どれだけの工数を投入したかわかる。

といった具合に、自社の戦略的な意思決定に必要なプロセスとしてデータをリアルタイムで把握できます。

その結果、売上や利益につながる先行指標に対して手が打てるようになります。

地方都市で不況業種の中小企業が、
CRM導入でガンガンに業績を伸ばしている理由!

実例として、北海道の北斗市に本社をおく株式会社アイーナホーム様では、
CRMの導入により大きく業績を伸ばしています。

同社では不動産事業に加えて中古住宅リフォーム、戸建リノベーション、新築分譲等、複数の事業を手掛けています。

そしてZoho CRM(ゾーホー シーアールエム)を導入することにより、
例えばコールセンターのアポ率が4割に満たなかったところ、導入後は8割ほどに向上しました。

さらに、この不況下でも毎年120%成長を実現し、営業利益率も10%を超えています

また、愛知県碧南市に本社のある生産財商社の株式会社エス・エヌ・ジー様でも同様にZoho CRMを導入しています。

同社でもCRMとMA、Web等を連動させた「クロスセル」「アップセル」他によって、
年商が7億4000万円から年商22億7000万円と約3倍にも伸びています。

山梨県に本社のある人材サービス会社である株式会社クレイプラス様も、
Zoho CRM導入わずか3年で年商2倍を実現
営業担当者1名あたりの生産性も2000万円/年という高い生産性を実現できています。
これらもCRM導入による顧客データ全社管理の成果です。

他の導入支援先企業様においても様々な導入効果が出ているほか、
「AI」の時流に適応することを見据えたデータ蓄積ツールとしても利用されはじめています。

\ 先着80名様限定 /
「CRMカンパニー」になる方法がわかる!

船井総合研究所では、CRMを導入してデジタル変革を行った会社のことを「CRMカンパニー」と呼び、
昨年8月には書籍「CRMカンパニー」を出版しました。

 

データ・生成AI活用で
業界平均の3~5倍の収益性を実現する

CRMカンパニー

「CRMカンパニー」とは、自社のDXを成功させ、
AIをビジネスに取り込んで活用することにより、
業界平均の3~5倍以上の高収益を実現している企業を指します。

本書では中堅・中小企業がCRMカンパニーを目指すべき理由や
CRMカンパニーに至るための具体的な手法を、
豊富な事例を交えて解説いたします。

そして今回、こちらの書籍「CRMカンパニー」の重版出来を記念いたしまして、
来る2025年2月28日(金)に「CRMカンパニー経営サミット2025」の開催を決定いたしました。

本セミナーは先着80名様限定です。弊社社長の真貝大介も講師として登壇。

また、前述のCRM導入モデル企業3社の社長も特別ゲスト講師として登壇されます。

「不況だからダメだ」「地方は元気が無い」そうした話がよく聞かれます。

しかし前述の3社は、地方の厳しい環境下にありながら継続して業績向上に成功されています。

CRM導入、あるいは見直しを通して自社を「CRMカンパニー」にすることを、
2025年のテーマとして検討してみるのはいかがでしょうか。

このような方におススメのセミナーです

  • CRM導入により短期間で業績を向上させたいと考えている経営者の方
  • データ活用、あるいは生成AI活用により、自社の業績を向上させたいと考えている経営者の方
  • DXに取組みたいと思っているが、何から手を付けたらいいのか迷っている経営者の方
  • 同じ中小企業で、DXに取り組んで成功している実際の社長の話を聞いてみたいと考えている経営者の方
  • これから本格化する不況の前に、有効な打ち手を考えたい経営者の方

セミナー概要

【日程】2025/2/28 (金)

【時間】12:30~16:30

【費用】一般価格 30,000円 (税込 33,000円)/ 会員価格 24,000円 (税込 26,400円)

【会場】船井総合研究所 東京本社(八重洲)

 〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲

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