成長企業の羅針盤!年商100億円達成を加速するCRMコンサルティング

はじめに

船井総合研究所では、CRM(顧客関係管理)を活用して顧客関係価値を向上させ、
業績を上げ続ける企業を 「CRMカンパニー」と定義しています。

本コラムでは、よくある顧客データ管理の課題やCRMカンパニーが課題をどのように解決しているのかを明らかにし、
年商100億円を目指す成長企業が実践する「顧客関係価値を最大化するCRM戦略」について解説します。


成長企業が目指す「CRMカンパニー」とは?

「顧客関係価値」の最大化が成長の鍵

年商100億円を目指す成長企業が着目しているのは、「顧客関係価値」の向上です。

人口減少が進む現代において、一人の顧客と長く深い関係を築き、継続的に多くの取引を行うことは非常に重要です。

顧客との長期的な関係を構築し、そこから生み出される価値を最大化することが、持続的な成長の鍵となります。

この顧客関係価値を向上させるための中心となるのが、CRM(顧客関係管理システム)です。

「顧客リストカンパニー」との決定的な違い

冒頭で述べた「CRMカンパニー」は、顧客データ管理に関する様々な課題を解決できています。

単に顧客リストを保有・管理しているだけの「顧客リストカンパニー」と比較すると、
その目的、機能、データ活用、効果、システムの範囲において、下記のとおり明確な違いがあります。

顧客リストカンパニーCRMカンパニー
目的顧客情報の記録と管理顧客との長期的な
関係構築によるLTV向上
機能なし、または限定的顧客データ分析、MA、
カスタマーサポートなど
データ活用限定的(記録、検索程度)ニーズ把握、セグメント分け、
パーソナライズ化
効果限定的顧客ロイヤルティ向上、
収益増加、コスト削減
システム範囲特定の業務や担当者営業、マーケティング、CS、
バックオフィス等組織全体

CRMカンパニーは、顧客リストを単に保有するだけでなく、顧客データ分析、
マーケティングオートメーション(MA)、カスタマーサポートといった多様な機能を持ち、
顧客ニーズの把握やパーソナライズ化といった高度なデータ活用を行っています。

これにより、顧客ロイヤルティの向上や収益増加といった効果を実現し、
顧客接点全体を統合的に管理できるシステムを組織全体で活用しているのです。

「360度顧客ビュー」の実現

CRMカンパニーは、顧客に関するあらゆる情報を統合し、
顧客一人ひとりを全方位的(360度)に理解する「360度顧客ビュー」を実現しています。

属性情報やWebサイトの閲覧履歴、購買履歴、問い合わせ履歴、SNSでの発言、商談履歴など、
顧客に関する全ての情報が1つの仕組みで管理されており、リアルタイムで顧客の動きを把握することができます。


年商100億円を目指す企業が直面する
顧客データ管理の壁

特に成長途上にある企業では、顧客データの管理に様々な課題を抱えていらっしゃることをお見掛けします。

具体的には、下記の課題がよく見られます。

年商100億円を目指す企業によくある課題

  • 顧客データを管理しているものの、マーケティング活動に十分に活かせていない。
  • リピート購買や商品別の購買履歴にもとづいたLTV(顧客生涯価値)の最大化ができていない。
  • 資料請求などで獲得した見込み度の低い顧客を、どのように育成していけば良いか分からない。
  • 特に多事業を展開している企業では、事業間で顧客データの連携ができておらず、グループ全体での顧客理解やクロスセル・アップセルが進まない。
  • 顧客管理が特定の営業担当者任せになり、組織全体で顧客情報を共有・活用できていない(属人化)。
  • 企業全体やグループ全体での顧客データの一元管理ができていないため、データにもとづいた戦略的なアクションが取りづらい。

これらの課題を解決し、「CRMカンパニー」へと組織変革することが、100億円企業への成長に不可欠です。


CRM活用の具体像と追うべき重要KPI

B2BにおけるCRMプロセスの具体例

CRMの活用は、企業の様々な顧客接点において行われます。
特にB2B企業においては、下記のようにリード獲得から商談、受注、そしてその後の関係維持へと続きます。

  1. リード獲得・集約
    Webサイト問い合わせ、チャットボット、展示会、イベントなど、様々な経路から獲得した見込み客(リード)の情報をCRMに集約することから始まります。
  2. リードナーチャリング(見込み客育成):
    CRMに取り込まれた情報は、次に「リードナーチャリング」に活用されます。
    定期的なメールマガジン配信はその代表例です。
    メールの開封・クリック、Webサイト訪問履歴などもCRMに蓄積され、見込み客の興味関心の度合いを把握するために活用されます。
  3. インサイドセールス連携
    見込み客が特定の資料をダウンロードするなど、具体的な興味を示したタイミングで、インサイドセールス部門がアプローチを行います。
    この活動もCRM内で運用され、顧客とのやり取り履歴が残されます。
  4. 商談・受注管理
    インサイドセールスから商談へと進んだ後は、提案、見積もり、価格交渉、受注・失注に至るまで、すべてのプロセスと結果がCRMで管理されます。
  5. 蓄積情報の分析・活用
    これらの蓄積された情報は分析され、次の新たな提案やマーケティング活動へと繋がっていきます。

このように、CRMは顧客とのすべての接点と活動を一元管理し、
顧客関係価値の向上を図るため中心的なシステムとして機能します。

LTVとCPA:CRM導入で注力すべきKPI

CRM導入による成果を測る上で、特に注力すべきKPIが二つあります。具体的には下記のとおりです。

  1. LTV(Life Time Value – 顧客生涯価値):
    「顧客単価 ×購買頻度 ×継続期間」という算出式で表されます。
    人口減少が進む現代、一人の顧客と長く深い関係を築き、継続的に多くの取引を行うことが重要であり、このLTVを高めていくことがCRM活用の大きな目標となります。
  2. CPA(Cost Per Action – 顧客獲得単価):
    LTV向上とあわせて、顧客獲得にかかるコストを下げることも重要です。
    ターゲット顧客を明確にし、広告効果を最適化することで、CPAを削減します。
    デジタルマーケティングでは、特定のターゲットに絞り込み、必要なタイミングで必要な人だけに広告を配信することで、CPAを正確に追跡し、下げていくことも目標となります。

CRMをこれらのKPIと紐づけて追跡することで、CRMへの投資対効果を正確に把握することができます。

LTVがどれだけ向上したか、CPAがどれだけ削減できたかという視点で成果を評価することが、
CRM活用の成功には不可欠です。


AIエージェント連携による顧客関係価値のさらなる向上

AIエージェントが変えるCRM活用の未来

CRMの活用は、周辺ツールや最新技術との連携によって、さらに進化しています。
特に近年注目されているのが、AIエージェントとの連携です。

AIエージェントは、人間の指示にもとづいて自律的に判断し、
複数のツールやデータソースを横断してタスクを完了させることを目指す技術です。

これまでのAIが特定の領域に特化していたのに対し、
AIエージェントはそれらを状況に応じて使い分け、目的達成のための最適なプロセスを実行します。

CRMとAIエージェントを連携させることで、顧客対応や営業活動は劇的に効率化されます。

たとえば、顧客からの問い合わせに対してAIエージェントがCRMデータを分析して顧客の意図や状況を把握。
適切な回答文を作成したり、担当営業のスケジュールを確認してアポイントを自動設定したりすることが可能です。
担当営業には問い合わせ内容や過去の遣り取り、AIが作成した情報などが自動で共有され、
顧客への詳細な説明準備をサポートします。

効果を最大化する「標準化」と「データ整備」

CRMとAIエージェントを連携させ、業務で効果的に活用するためには、
下記二つのポイントを押さえることが重要です。

  1. 業務プロセスの標準化
    AIは「決まったルールや手順」にもとづいて動くのが得意なため、業務が属人化していたりプロセスがバラバラだったりすると、AIは何を基準に判断・実行すれば良いのかわからなくなります。
    そのため、ワークフローや意思決定基準を明確にし、AIが判断・実行しやすいように業務を整理しておくことが重要です。
  2. データの整理(整備)
    AIの判断力や提案力は、学習元となるデータの質と整備状況に大きく左右されます。
    データ形式(日付、住所、商品名など)を統一したり、ノイズの少ない信頼できるデータセットを構築したりすることが、AIの能力を最大限に引き出すために重要です。

多角化経営を成功に導く!
理想のシステム構築を実現する方法

システム構成の理想と現実

企業における業務システムの理想的な構成は、顧客接点を管理するCRMと販売、在庫、購買、
生産、会計といった基幹業務を管理するERP(統合基幹業務システム)の二つがシンプルに連携している形です。
フロント業務をCRMが、バックエンド業務をERPが担うことで、効率的かつデータにもとづいた経営が可能になります。

しかし、多くの企業のシステム構成は、この理想形とは大きく異なっています。

特に多角化経営を行っている企業では、事業ごとに異なる顧客管理システムや基幹システムが導入されており、
スクラッチ開発や様々なパッケージソフトを利用している場合もあれば、
Excelやスプレッドシートといったアナログなツールが混在しているケースも散見されます。

事業ごとや業務ごとにシステムがバラバラで、会計だけはなんとか一つにまとまっている、といった状況では、
事業間のデータ連携が進まず、全体最適化やシナジー創出が困難になります。

理想のシステム経営を実現する2つのステップ

では、「利用システムがバラバラ」な現実から「CRMとERPがシンプルに連携している」理想形へ、
どのようにして近付けていけば良いのでしょうか。

船井総合研究所では本問題の回答として、下記のように段階的に進めることを推奨しています。

  1. 第一ステップ「CRMプラットフォームの構築」:
    まずは顧客データを一元管理するためのCRMプラットフォームを構築します。
    CRMは顧客接点に特化しており、比較的成果が出やすく、事業ごとの設定変更にも柔軟に対応しやすいシステムであるため、顧客関係価値向上の基盤を作る取り組みとして着手しやすい第一歩と言えます。
  2. 第二ステップ「基幹システムのリプレイス検討」:
    理想は基幹システムも一つに統合することですが、これは企業規模が大きくなるほど難易度が高く、投資対効果が出るのは年商300億円を超えるような規模感が目安となるという声もあります。

    そのため無理に大規模なERP導入を行うのではなく、現状のシステム構成を見直し、必要な部分に絞ってリプレイスを行う、あるいはAIエージェントやSaaSの活用を検討する現実的なアプローチが有効です。

    具体的には、老朽化して業務に支障をきたす中核部分を見極め、そこだけを影響の少ないSaaSやクラウドERPに置き換えます。
    周辺業務はAIエージェントやRPAを活用して自動化を図り、既存システムの重要なデータベース部分は維持しながら、徐々に新しい仕組みへ移行していく、といった方法が考えられます。

    既存システムのすべてを一度に刷新するのは大変ですが、必要最低限のリプレイスとAIによる補完を組み合わせる方法であれば、システム投資を抑えつつ、システムを活用した経営の実現を目指すことができます。

CRMを中心としたシステム経営の導入事例

CRMを中心としたシステム経営は、様々な業種・業態の企業で成果を上げています。

下記に当社の成功事例をご紹介します。

地域コングロマリット企業の事例

薬局、介護施設、宅配弁当、デイサービスといった複数の事業を展開するA社様では、事業ごとに異なる販売管理システムを使用しており、本部での集計や経営状況把握が手作業で煩雑だった課題をお持ちでした。

これらの課題解決を船井総研にご相談いただき、各事業の既存システムはそのままに、中央にCRMを配置し、顧客情報や売上情報など、経営判断に必要なデータをCRMに集約する仕組みを構築しました。

その結果、ほぼリアルタイムで事業状況データが集約できるようになり、データにもとづいた迅速な経営判断、データドリブン経営や経営情報の可視化・一元管理を実現しました。

現行システムを維持したまま
Zoho CRMでデータドリブン経営を実現した事例

現行の販売管理システムは維持したまま、Zoho CRMにデータを統合し、データドリブン経営を実現した事例をご紹介します!

住宅会社の事例

株式会社アイーナホーム様では、不動産事業、新築事業、リフォーム事業といった複数の住宅関連事業を展開されており、事業別に自社サイトやポータルサイトをお持ちです。

それぞれに入るお問い合わせも事業ごとに管理されており、顧客情報を一元管理できておらず、グループ全体での事業シナジー創出に課題を感じていました。

船井総研にて様々な課題やご状況をヒアリングし、顧客情報をZoho CRMに統合しました。

これにより、たとえば家を建てたお客様に対し、10年後にリフォームの提案を行う際に、事業部別リストを個別に確認する必要がなくなり、統合データにもとづいてピンポイントな案内が可能になりました。

さらに、給湯器の型番まで細かく管理し、消耗部品交換時期に合わせた提案を行うなど、詳細な顧客管理も可能になり、グループ全体でのLTV最大化を実現しています。

統合CRMのMA機能を活用し、来店率向上や来店一人あたりの広告費削減といった成果にも繋がっています。

Zoho CreatorとZiaで20秒アプリ開発!
~AIによるアプリ開発デモのご紹介~

Zohoの不動産業成功事例として、粗利昨対187%を実現した会社をご紹介します!


船井総合研究所のCRMコンサルティングについて

船井総合研究所では、大規模なシステム導入においてもシステム会社任せにするのではなく、
実現したい姿から逆算(バックキャスト)したDX戦略・グランドデザイン策定という上流工程からご支援しています。

船井総合研究所のCRMコンサルティングの流れ(一例)

  1. 経営層へのヒアリング
  2. 現状課題の把握・整理
  3. 方向性の策定
  4. システム導入内容の検討
  5. 実行計画の作成
  6. 初期設定支援
  7. データ登録支援
  8. BI・レポート作成支援
  9. マニュアル作成支援
  10. 運用サポート支援

上記流れのとおり、貴社にとって何が最適かを第三者目線で合理的に判断し、短期的なシステム導入に終わらない、
あるべき姿の実現に向けたプロジェクト推進をサポートいたします。

もし、貴社でこれらの課題に直面しており、DX推進にご興味がございましたら、ぜひお気軽にお声がけください。
船井総合研究所では皆様の相談を無料で承り、貴社の状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

船井総研はZohoの認定パートナーです!

船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。

「社内の業務をDXしたいけど何から手を付けたら良いかかわからない

Zohoと他サービスの違いを詳しく教えてほしい」

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など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください!

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