
株式会社ヤマデン
取締役 営業本部長 朝比奈様


こんにちは。株式会社船井総合研究所 DXコンサルティング部の田澤です。
今回は 株式会社ヤマデン 様の成功事例をご紹介します。
ヤマデン様は、東京、名古屋を始めとし、全国に14拠点を構える製造業の会社です。
主にプラスチック加工業を営み、スマホケースや半導体製造装置の部品など、
身近なものから最先端なものまで、様々な製品の製造を手がけられています。
今回は取締役 営業本部長の朝比奈様に、Zoho導入前の課題や導入後の効果をヒアリングさせていただきました!
導入前の課題
連携していない社内システムが多く、二重入力が多発している

上記画像はヤマデン様の従来のシステム構成図で、点線は手動入力、実線は自動入力です。
画像のとおり、ヤマデン様では営業担当の業務で使用するシステムが連携しておらず、二重入力が多発していました。
これにより、営業担当はコア業務である顧客への提案に注力できず、営業活動の生産性が低下していました。
Excelで作った見積書の承認のために”ハンコリレー”が発生している
ヤマデン様では、お客様から見積依頼をいただいた後、Excelで見積書を作成されていました。
この見積書をお客様に提出するには、以下の手順をふむ必要がありました。
- Chatworkで営業担当から生産管理部に原価計算依頼
- 生産管理部から原価回答後、見積書をExcelで作成
- Excelを拠点長に提出~承認
- 必要に応じてExcelをエリア部長に提出~承認
- 必要に応じてExcelを営業本部長に提出~承認
- お客様に提出
3~5では、いわゆる「ハンコリレー」が発生し、お客様からの見積依頼から提出までに時間がかかる状況でした。
拠点間で情報共有が行えていない
前述のシステム構成図のとおり、CRM(顧客管理システム)が存在していないために、
顧客情報の一元管理ができず、拠点間の情報共有が十分に行えていない状況にありました。
近くの拠点同士で同じ顧客にアプローチしてしまうこともあり、対応品質に悪影響を及ぼす状況でした。
Zohoを選んだ理由
- 課題解決のためにCRMを導入する必要があった
- 類似サービスと比較して安価に導入ができる
- Zoho CRMを基点に、他の様々なサービスと簡単に連携できる
前述の3つの課題を解決するために、顧客情報を一元管理するCRMの導入は必須でした。
ZohoではCRM機能を筆頭として、様々なビジネス用アプリケーションが提供されています。
類似サービスと比較して安く、ヤマデン様が利用している名刺管理アプリとの連携もできるため、
当社よりZohoをおすすめして導入を決定していただきました。
なおヤマデン様では、45種類以上のアプリケーションが利用可能となる「Zoho One」をご導入いただいています。
参考情報
「Zoho One」とは何ですか?
Zoho One(ゾーホー ワン)とは、ZOHO社が開発・提供している様々な業務用アプリケーションのうち、45種類以上のアプリケーションをパッケージにしたサービスの名称です。
「Zoho CRM」や「Zoho CRM Plus」と「Zoho One」は何が違うのですか?
「Zoho CRM」単体契約で使用できるアプリケーションはZoho CRMのみです。
「Zoho CRM Plus」は、Zoho CRMを含め、15個のアプリケーションを使用できます。
「Zoho One」は、Zoho CRM Plusで使用できる15個のアプリケーション(下記の1番~15番)を含めた、45種類以上のアプリケーションを使用できます。
※下記は2025年5月現在の情報です
- Zoho CRM(顧客管理・営業管理)
- Zoho Desk(カスタマーサポート)
- Zoho Analytics(分析・レポート)
- Zoho Projects(プロジェクト管理)
- Zoho WorkDrive(ファイル共有)
- Zoho SalesIQ(WEB接客・追客)
- Zoho Survey(アンケート)
- Zoho Marketing Automation(マーケティング自動化)
- Zoho Campaigns(メールマガジン配信)
- Zoho LandingPage(ランディングページ制作・管理)
- Zoho PageSense(アクセス解析)
- Zoho Social(SNS管理)
- Zoho Webinar(ウェビナー)
- Zoho Backstage(イベント管理)
- Zoho Cliq(チャット)
- Zoho Begin(顧客管理・営業管理 ※小規模ビジネスやスタートアップ企業向け)
- Zoho Booking(アポイント予約管理)
- Zoho Forms(フォーム作成)
- Zoho Sites(WEBサイト制作)
- Zoho Commerce(eコマース構築)
- Zoho Thrive(アフィリエイト構築・運営)
- Zoho Assist(リモートサポート)
- Zoho Lens(拡張現実型リモートサポート)
- Zoho Mail(メールホスティング)
- Zoho Sprints(アジャイルプロジェクト管理)
- Zoho Connect(社内用SNS)
- Zoho Learn(従業員向け学習コンテンツ管理)
- Zoho Teaminbox(共有受信トレイ)
- Zoho Meeting(オンライン会議)
- Zoho Writer(ドキュメント作成)
- Zoho Sheet(スプレッドシート作成)
- Zoho Show(スライド作成)
- Zoho Sign(デジタル署名)
- Zoho Notebook(メモ作成)
- Zoho Vault(パスワード管理)
- Zoho Books(会計管理)
- Zoho Invoice(請求管理)
- Zoho Expense(経費管理)
- Zoho Checkout(オンライン決済)
- Zoho Billing(サブスクリプション用請求管理)
- Zoho Inventory(在庫管理)
- Zoho People(従業員管理)
- Zoho Recruit(採用管理)
- Zoho Creator(アプリケーション開発)
- Zoho Flow(連携機能開発)
- Zoho DataPrep(データクレンジング)
- Zoho Contracts(契約管理)
Zoho Oneの費用について教えてください!
2025年5月現在のZoho One利用料金は下記の通りです。
※いずれも年間契約時の料金です。
- 全従業員利用プラン:4,440円(1ユーザー/月額換算/税別)
- 一部従業員での利用プラン:10,800円(1ユーザー/月額換算/税別)
導入後の効果
Zoho CRM・Zoho Forms・API連携の活用による二重入力の削減
Zoho One導入後のシステム構成図は下記画像のとおりです。
顧客に関するデータをすべてZoho CRMに統合・一元管理するようにシステム構成を組み替えました。

さらに、Webサイトの問い合わせフォームをZoho Formsに置き換え、Zoho CRMと連携させることで、
フォームの入力情報をZoho CRMに自動登録されるようにし、二重入力の手間を削減しました。
名刺管理ソフトとビジネスチャットアプリはZoho以外のものを使用していましたが、
API連携を用いることで、これらもZoho CRMとの連携を実現しました。
Chatwork連携で営業活動の効率化&業務生産性向上を実現
ヤマデン様ではChatworkを利用されていたため、Zoho CRMから発生する通知をほぼすべてChatworkに通知する機能※を構築しました。
※ヤマデン様専用に機能開発したものであり、当社が拡張機能として提供している「Chatwork連携機能」とは異なる機能です。
通知の一例をあげると、営業担当がお客様を訪問し、訪問結果をZoho CRMに登録した際に、Chatworkに通知が飛ぶように設定されています。
上長はそのChatwork通知からZoho CRMにアクセスし訪問結果を確認、アドバイスやコメントをZoho CRMに入力します。
このコメントもまたChatworkに通知されるため、営業社員は出先でも上長のフィードバックを簡単に確認でき、
上長からの指示を次回アクションに取り入れることができるようになります。
このように、外出先からもリアルタイムに営業報告とフィードバックができることで、
より効果的・効率的に営業活動を取り組めるようになりました。

訪問結果と上長コメントはCRMにデータとして保存されているため、Analyticsによる分析も可能です。
また、後述する見積承認にもChatworkを用いることで、完全自動化しています。
申請に関する通知がすべてChatworkに飛ぶことで、業務対応スピードが向上しました。

保守性・拡張性も考慮し、ヤマデン様が新しく通知を追加したい場合も、ノーコードで簡単に通知を追加できる機能となっております。

各種承認フロー・見積関連業務の自動化
Zoho CRMの組織設定・上司と部下の設定を活用し、承認プロセスをシステム化しました。
申請通知や承認通知は、前述のとおりビジネスチャットアプリに飛ぶようにもしたため即時確認が可能となり、
承認者の承認速度が上がり、見積回答時間の大幅削減を実現しました。
また、折角のシステムも使えないと意味を成しません。
ヤマデンの皆様にご利用いただけるよう、下記のような操作マニュアルを作成してお渡ししています。
ヤマデン様にお渡しした見積承認プロセスの操作マニュアル



Zoho CRMで全拠点共用のデータベースを構築
顧客に関するデータを全拠点で共有することで、下記のような情報を一元管理できるようになりました。
Zoho CRMにより全拠点で共有できるようになった情報
- Webサイトからの問い合わせ履歴
- 見積書の提出履歴
- お客様からいただいたご意見一覧
- 名刺交換履歴
これにより、お客様情報の取得・利用が簡単になり、営業活動が効率化しました。
また、これらの情報を活用して営業担当が他拠点や上司とともに戦略を立て、アプローチする、といった営業体制も確立されました。
Zoho Analyticsを用いたデータドリブン経営
前述のZohoCRMのデータだけでなく、基幹システムの情報をAnalyticsにインポートすることで、売上・見積書・訪問活動を分析できるダッシュボードを構築しました。
ダッシュボードの情報をもとに経営会議、部長会議、営業会議が行われ、いわゆるデータドリブン経営を実現しています。
ヤマデン様で実際に使用されているZoho Analyticsのダッシュボード画面

まとめ
ヤマデン様の事例では、営業にかかわる様々な活動をZohoに置き換えました。
今後は生産管理や製造部の活動もZoho CRMやZoho Creatorに置き換えることをご検討いただいており、
営業×生産管理×製造部の情報共有の効率化に向けた取り組みを進めております。
船井総研にいただくシステム関連のご相談の中で特に多いのは、
「業務拡大・新拠点設置のたびにシステムを増やしていった結果、気付いたら全体最適ではないシステム構成になっていて困っている…」
というものです。
船井総研ではこれまでに800社以上のZoho導入・運用支援実績があるほか、Zoho以外のサービスのご提案や個別開発も対応可能です。
「部分最適」から「全体最適」へのシステム見直しをしたい方は、まずは是非お気軽に船井総研にご相談ください!

船井総研はZohoの認定パートナーです!
船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。
「社内の業務をDXしたいけど何から手を付けたら良いかかわからない」
「Zohoと他サービスの違いを詳しく教えてほしい」
「Zoho導入に際しての費用やスケジュール感を聞きたい」
「他社がどのようにZohoを活用しているのか具体的な事例を知りたい」
「レガシーシステムからZohoに移行したい」
など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください!