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CRM(顧客関係管理)システムとして多くの企業で活用されているZoho CRM。
そのポテンシャルを最大限に引き出す鍵となるのが「API」です。
システム部門のご担当者様であれば、APIという言葉自体は耳馴染みがあるかと存じますが、ZohoCRMのAPIを具体的にどのように活用できるのか、詳しくご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、システム部門の皆様に向けて、ZohoCRMのAPI連携について解説します。
ZohoCRM→外部システム
初めにZoho CRMのデータを外部システムに送信する場合の連携方法を解説します。
- HTTPリクエストを送信する
Zoho CRMから外部システムのAPIを呼び出す最も基本的な方法の一つが、HTTPリクエストの送信です。
Zoho CRMには、Delugeという独自のスクリプト言語が用意されており、外部のWebサービスやAPIに対してHTTPリクエスト(GET, POST, PUT, DELETEなど)を送信できます。
この方法のメリットは、Zoho CRM側のアクションを起点として、能動的に外部システムにアクセスできる点です。
ワークフロールールと組み合わせることで、「商談のステージが『受注』に変わったら、外部の在庫管理システムにリクエストを送る」といった業務自動化を実現できます。
- Webhookを使用する
Webhookは、特定のイベントが発生した際に、予め指定した外部システムのURL(エンドポイント)に対して、リアルタイムにHTTP POSTリクエストでデータ(通常はJSON形式)を送信する仕組みです。
ZohoCRMにはワークフロー、承認プロセス、ボタンにWebhookを設置することが可能です。
具体的には「新しい見込み客が作成された」「見積書が承認された」といったイベントをトリガーとして、Webhookを起動することができます。
外部システム→ZohoCRM
次に外部システムからZohoCRMにアクセスする場合の連携方法を解説します。
- API経由でZohoCRMにアクセスする
外部システムからZoho CRMのデータにアクセスする最も一般的な方法は、上記のZohoCRM APIを使用する方法です。
このAPIを通じて、Zoho CRMの各種タブに対して、データの検索、取得、作成、更新、削除といった操作を行うことができます。
ZohoCRM APIは認証方式にOAuth 2.を採用しているため、セキュアにAPIを利用できます。
対応しているプログラミング言語の幅も広く、Java, Python, PHP, Node.js, C#など、多くの言語でAPIクライアントライブラリが提供されているか、あるいは自身でHTTPクライアントライブラリを使って実装することが可能です。
- REST API化されたZohoCRMの関数にアクセスする
Zoho CRMには、Delugeスクリプトを用いて独自のビジネスロジックを実装できる「カスタム関数」という機能があります。
このカスタム関数を、外部から呼び出し可能なREST APIとして公開することができます。
この機能を用いることで、Zoho CRM内部で定義した複雑な処理や、複数のタブにまたがるデータ操作などを、あたかも標準APIの一部であるかのように外部システムから利用できるようになります。
例えば、「特定の条件に基づいて複数の関連レコードを検索・集計し、整形した結果を返す」といった独自の処理をカスタム関数として作成し、それをAPIとして公開すれば、外部システムはただHTTPリクエストを送信するだけで、必要な情報を取得できます。
この方法のメリットは、Zoho CRM側でロジックを一元管理できる点と、外部システム側の開発負担を軽減できる点です。
外部システムは、公開されたAPIエンドポイントに必要なパラメータを渡して呼び出すだけで、Zoho CRM内の複雑な処理結果を得ることができます。
おわりに
ZohoCRMはAPIを活用することで、システム連携を強化し、業務効率を飛躍的に向上させることが可能です。本記事がその一助となれば幸いです。
私たち船井総合研究所には100名以上のZohoエンジニアが在籍しており、200社以上のZoho CRMの導入実績がございます。お客様のお悩みやご要望に寄り添ったDX推進をサポートいたしますので、具体的なご相談やご質問がございましたら、お気軽にお声がけください!