CRMと基幹システムのデータ分断を解消!データ連携の重要性と実現方法を徹底解説

「顧客情報はCRM、売上情報は基幹システムと、別々に入力している」
「外出先で顧客に最適な提案をしたいのに、在庫状況がすぐにわからない」
「顧客情報、見積情報、在庫情報がバラバラで、状況を把握するのに時間がかかる。

もし、このような課題を感じているなら、CRMと基幹システムのデータ分断が原因かもしれません。
日本の中堅・中小企業様で、老朽化した基幹システムや業務アプリ(レガシーシステム)が深刻な課題となっています。
本来、業務効率化のために導入したシステムが、かえって手間を増やし、業務の流れを滞らせているのです。

この状態を放置すると、現場の負担が増えるだけでなく、データを活用した戦略的な経営判断も難しくなります。
しかし、CRMと基幹システムを連携すれば、これらの課題を解決し、貴社は大きく飛躍できます。

この記事から得られるメリット

  • リアルタイムな情報共有
    顧客対応のスピードと質が向上する方法がわかります。
  • 正確なデータ分析
    売上アップにつながる戦略的な意思決定をするための具体的なステップがわかります。
  • 業務効率の大幅向上
    社員がより創造的な仕事に集中できる環境を作る方法がわかります。

 さあ、CRMと基幹システムの連携で、貴社のビジネスを次の段階へ進めませんか。

なぜ起きる?CRMと基幹システムのデータ分断

データが別管理になる背景

多くの企業で、CRMツールと基幹システムのデータが別々に管理され、連携が進んでいない状況が見られます 。
その背景には、いくつかの理由が考えられます。

  • 導入目的の違い 
    CRMは営業部門が個別に導入し、基幹システムは経理部門などが導入するなど、導入の経緯が異なります。
  • システムの制約
    古い基幹システムには連携機能がない、データの形式が特殊であるなど、技術的な課題がある 。

これらの理由により、各システムが持つ力を十分に発揮できず、データが分断されたままになっているケー スが
多く見られます 。

データ分断がもたらす経営リスク

CRMと基幹システムのデータ分断は、単に手間が増えるだけでなく、会社にとって大きなリスクに
つながります。

  • 入力ミス
    同じデータを何度も入力することで、入力ミスや更新漏れが発生しやすくなる
    (例:請求ミス、在庫数の間違い) 。  
  • 機会損失
    営業先で最新の情報をすぐに確認できず、商談のスピードが落ちる 。  
  • 判断ミス
    売上予測(CRM)と実績(基幹システム)が分断され、正確な分析や将来の予測が難しくなる 。

    このように、データ分断は、業務効率の低下、データ品質の悪化、ビジネスチャンスの損失、
    経営判断の質の低下など、様々な問題を引き起こす可能性があります 。

データ分断による複合的なリスク

CRMと基幹システムのデータ分断は、業務の効率を下げるだけでなく、データ品質の低下、営業機会の損失、
経営判断の質の低下といった、複数の経営リスクを複合的に引き起こす可能性があります。

顧客データを活かす!連携の重要性

経営判断に不可欠な顧客軸データ

会社の活動は、最終的に「顧客」との関係で成り立っています 。
そのため、顧客一人ひとりの情報を様々な角度から把握することが、適切な経営判断に不可欠です 。
しかし、システム間でデータが連携していない場合、次のような情報の分断がよく見られます 。

  • CRM
    顧客との商談内容や活動などの過程の情報
  • 基幹システム
    実際の売上や取引履歴などの結果の情報

この分断により、「どのような営業方法が売上につながるのか」「優良顧客になるにはどのような経緯が
あるのか」といった、過程と結果を結びつけた分析が困難になり、経験や勘に頼った判断になりがちです。

データ連携で顧客の全体像を把握

データ分断の問題を解決するには、顧客を識別する共通の情報(顧客ID、メールアドレスなど)を使って、
バラバラになっている情報を結びつけ、統合的に分析できる仕組みを作ることが重要です 。
これにより、以下が可能になります。  

  • 個々の顧客
    「どのような経緯を経て(CRMの情報)」「どのような取引結果になったのか (基幹システムの
    情報)」をまとめて把握する
  • 顧客の行動
    背景にある理由やパターンを深く理解する
  • 経営判断
    客観的なデータに基づいた、より正確で効果的な経営判断をする

この「顧客の全体像」の把握こそが、データ連携が経営判断に欠かせない最大の理由です。

連携方法を徹底比較

CRMと基幹システムを連携させる主な方法として、「API連携」「ファイル連携(CSVなど)」「iPaaS連携」の
3つがあります 。   それぞれの特徴、メリット、デメリット、どのような場合に適しているかを比較しながら
解説します 。

API連携:リアルタイム性と高度な自動化

API(Application Programming Interface)とは、システムやソフトウェア同士が情報をやり取り
するための仕組みです 。  
システム提供元がAPIを公開していれば、それを利用して連携プログラムを開発できます 。  

メリット

  • 人が介在しないため、正確でリアルタイムな情報連携が可能です 。  
  • 業務にかかる時間を大幅に短縮できます 。  

デメリット/注意点

  • 連携機能の開発や、その後の管理・仕様変更には、専門的なプログラミングの知識と技術が必要です 。
  • 開発にはある程度の費用と時間がかかります 。  
  • 連携先のAPIの仕様が変更された場合、それに合わせて修正する必要があります 。  

活用例

  • データのリアルタイム性が非常に重要な業務  
  • システム間で複雑な業務プロセスを自動でデータ連携させたい場合     
  • 基幹システムとCRM間で、常に最新の情報をやり取りしたい場合

ファイル連携:手軽さと一括処理

一方のシステムから連携に必要なデータをCSVなどのファイルに出力し、そのファイルをもう一方のシステムに
手動などで取り込むことで、データ連携をする方法です。  

メリット

  • 特別な開発をしなくても、システムの標準機能だけで連携できる場合が多く、比較的簡単に始められ
    ます 。  

デメリット/注意点

  • 手動でファイルを受け渡したり、取り込んだりする必要がある場合、作業漏れや操作ミスが起こりやすい
    です 。
  • データの反映に時間がかかるため、リアルタイムなデータ連携はできません 。  
  • 連携の頻度やデータ量が多い場合、ファイルの管理や手作業の負担が大きくなります。  

活用例

  • リアルタイムなデータ同期は不要で、まとめて処理(例:1日1回などの連携)で十分な場合 
  • 連携する情報の更新頻度が低い場合(例:月ごとの実績集計など)     
  • 本格的な自動連携を導入する前に、費用を抑えてデータ連携の効果を試したい場合

iPaaS連携:クラウド時代の連携基盤

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、様々なクラウドサービス、データベース、アプリケーション
などを連携させるための、クラウド型のプラットフォームです 。  

メリット

  • API連携(プログラム開発)と比較して、開発期間を大幅に短縮し、費用を抑えられる可能性があります。
  • 専門的なプログラミングの知識が少なくても、連携の設定や運用がしやすいです 。
  • 連携の設定、実行状況の監視、エラー通知などの機能が充実しており、管理の負担を減らせます。
  • 様々なクラウドサービスを組み合わせて連携させやすいです 。

デメリット/注意点

  • プラットフォームの利用には、通常、利用料(月額・年額など)がかかります 。
  • 提供される機能やコネクタの範囲を超える、特殊な要件には対応できない場合があります 。  
  • 連携したいシステムに対応したコネクタがあるか、必要な機能が提供されているかを事前に確認する必要が
    あります 。 

活用例

  • 複数のクラウドサービス間でデータ連携させたい場合

上記以外にも、利用中のシステムに連携機能が備わっている場合があります 。   特に、最近のクラウド型の
基幹システムや業務アプリケーションには、連携機能が搭載されているケースも多いため、確認してみることを
おすすめします 。  

連携で得られる効果

CRMと基幹システムのデータ連携は、業務効率、データ品質、顧客理解、経営判断など、様々な面で大きな効果を
もたらします 。

業務効率の向上

  • 二重入力の削減
    自動連携により、手作業を減らすことができます 。  
  • 付加価値の高い業務に集中
    担当者はデータ入力などの作業から解放され、顧客対応や分析など、より重要な業務に時間をかけられ
    ます 。  
  • 入力ミスの防止
    手作業を減らすことで、入力ミスを減らし、修正作業も減らすことができます 。  

データ品質の向上

  • 情報の一貫性
    システム間の情報の食い違いを防ぎ、常に最新で正確なデータを維持できます 。  
  • 信頼できるデータの共有
    「どちらの情報が正しいのか」といった混乱がなくなり、社内で安心してデータを活用できます 。  
  • コミュニケーションの改善
    部門間の認識のずれによるトラブルを防ぎます 。  

顧客理解の促進

  • 顧客の全体像を把握
    CRMの顧客とのやり取りの情報と、基幹システムの購買履歴などを
    組み合わせることで、顧客の行動やニーズを深く理解できます 。  
  • 迅速で的確な顧客対応
    営業担当者がCRM上で在庫情報などをリアルタイムに確認できるため、
    顧客満足度の向上につながります 。  

経営判断を支える材料の充実

  • 精度の高い分析・予測
    CRMの売上予測データと基幹システムの実績データを統合することで、
    売上予測や収益性分析の精度が向上します 。  
  • データに基づく意思決定
    経験や勘だけでなく、客観的なデータに基づいて現状を把握できるため、
    より効果的な戦略を立てることができます 。  

連携に強いCRM:「Zoho CRM」

多くのCRMシステムがある中で、特におすすめなのが「Zoho CRM」です 。  

Zoho CRMは、中小企業から大企業まで幅広く利用されており、CRM、SFA(営業支援)、MA(マーケティング
オートメーション)、BI(データ可視化)など、豊富な機能を提供しています 。
船井総研ZohoCRMリンク

さらに、Zoho CRMは、APIやプラグインなどを使った他のシステム(API連携など)との連携を前提に設計
されています 。  
そのため、基幹システムとのデータ連携を実現するための有効な選択肢となります 。

おわりに:未来を拓くデータ連携

もし、貴社でCRMと基幹システムのデータが分断されているなら、データ連携は、今後の業務改善とデータに
基づいた判断を進める上で非常に重要な一歩となります 。
 
当社は、800社以上のZoho導入支援実績に基づき、現状分析から最適な設計・設定、そして定着化までを
トータルでサポートいたします。

もし、「現状分析や連携方法」「ツールの選定」などでお困り場合は、ぜひ一度ご相談ください。
現場目線・経営目線を両立した「実行できるDX支援」をご提供します。

データ分断を解消し、会社の成長を加速させるために、弊社のZoho導入支援チームが、貴社のお悩みに合わせて
丁寧にご相談に応じます。

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