製造業 K社様(社名非公開)


こんにちは。株式会社船井総合研究所 DXコンサルティング部の秋田です。
今回は 製造業 K社様 の成功事例をご紹介します。
K社様は、社員数約250名の中小企業です。
50年以上の歴史を持つK社様では、事業の拡大に伴って部門や拠点が増えていきましたが、
それにあわせて利用するシステムも増えてしまい、情報管理の様々な場面で二重入力が頻発していました。
多数のシステムが業務効率や生産性を低下させている現状を解消するために、船井総研にご相談をいただきました。
導入前の課題
部門ごとに多数のシステムが散在している
K社様には複数の拠点、複数の部門があり、それぞれで利用するシステムが違う状況でした。
各システムは連携しておらず、社内にはシステムエンジニアがいないために改善も難しく、
顧客情報や製品情報は同じであっても部門をまたぐたびに各々のシステムに二重入力する手間が発生していました。
そのため、業務効率を上げるために入れたはずのシステムが拠点間や部門間の「壁」となり、
業務効率や生産性を低下させる原因になっていました。
Zohoを選んだ理由
- MA、CRM、BI、生産管理など必要なツールが1つのシステム内にまとまっている
- 類似サービスと比較して安価である
拠点や部門ごとにシステムが分断されているせいで二重入力の手間が数多く発生していたために、
K社様では全社で共通のシステムを使うことを希望されておりました。
業務種別の異なる様々な機能が必要であり、尚且つ連携できることが必須条件であったため、
45種類以上の業務用アプリケーションが包括された「Zoho One」をご提案しました。
参考情報
「Zoho One」とは何ですか?
Zoho One(ゾーホー ワン)とは、ZOHO社が開発・提供している様々な業務用アプリケーションのうち、45種類以上のアプリケーションをパッケージにしたサービスの名称です。
「Zoho CRM」や「Zoho CRM Plus」と「Zoho One」は何が違うのですか?
「Zoho CRM」単体契約で使用できるアプリケーションはZoho CRMのみです。
「Zoho CRM Plus」は、Zoho CRMを含め、15個のアプリケーションを使用できます。
「Zoho One」は、Zoho CRM Plusで使用できる15個のアプリケーション(下記の1番~15番)を含めた、45種類以上のアプリケーションを使用できます。
※下記は2025年5月現在の情報です
- Zoho CRM(顧客管理・営業管理)
- Zoho Desk(カスタマーサポート)
- Zoho Analytics(分析・レポート)
- Zoho Projects(プロジェクト管理)
- Zoho WorkDrive(ファイル共有)
- Zoho SalesIQ(WEB接客・追客)
- Zoho Survey(アンケート)
- Zoho Marketing Automation(マーケティング自動化)
- Zoho Campaigns(メールマガジン配信)
- Zoho LandingPage(ランディングページ制作・管理)
- Zoho PageSense(アクセス解析)
- Zoho Social(SNS管理)
- Zoho Webinar(ウェビナー)
- Zoho Backstage(イベント管理)
- Zoho Cliq(チャット)
- Zoho Begin(顧客管理・営業管理 ※小規模ビジネスやスタートアップ企業向け)
- Zoho Booking(アポイント予約管理)
- Zoho Forms(フォーム作成)
- Zoho Sites(WEBサイト制作)
- Zoho Commerce(eコマース構築)
- Zoho Thrive(アフィリエイト構築・運営)
- Zoho Assist(リモートサポート)
- Zoho Lens(拡張現実型リモートサポート)
- Zoho Mail(メールホスティング)
- Zoho Sprints(アジャイルプロジェクト管理)
- Zoho Connect(社内用SNS)
- Zoho Learn(従業員向け学習コンテンツ管理)
- Zoho Teaminbox(共有受信トレイ)
- Zoho Meeting(オンライン会議)
- Zoho Writer(ドキュメント作成)
- Zoho Sheet(スプレッドシート作成)
- Zoho Show(スライド作成)
- Zoho Sign(デジタル署名)
- Zoho Notebook(メモ作成)
- Zoho Vault(パスワード管理)
- Zoho Books(会計管理)
- Zoho Invoice(請求管理)
- Zoho Expense(経費管理)
- Zoho Checkout(オンライン決済)
- Zoho Billing(サブスクリプション用請求管理)
- Zoho Inventory(在庫管理)
- Zoho People(従業員管理)
- Zoho Recruit(採用管理)
- Zoho Creator(アプリケーション開発)
- Zoho Flow(連携機能開発)
- Zoho DataPrep(データクレンジング)
- Zoho Contracts(契約管理)
Zoho Oneの費用について教えてください!
2025年5月現在のZoho One利用料金は下記の通りです。
※いずれも年間契約時の料金です。
- 全従業員利用プラン:4,440円(1ユーザー/月額換算/税別)
- 一部従業員での利用プラン:10,800円(1ユーザー/月額換算/税別)
導入後の効果
CX向上による他社との差別化
MA、CRM、SFAといった顧客周りのDXがまだ浸透していない製造業において、
CX(カスタマーエクスペリエンス/顧客体験価値)や接客品質の向上は、他社との差別的優位性を確立する上で重要となります。
従来K社様では、顧客・商談・受注情報が複数のシステムで分断管理されていたことにより、
営業マンは顧客別の興味・関心・過去経緯を理解しきれず機会ロスを招いていました。
現在は複数のシステムをZohoに移行して一元管理し、様々な情報を一目で把握可能になったことで、
営業社員は顧客ニーズを正しく理解した適切な商談ができる状況となりました。
また、顧客情報だけでなく製造情報をも確認可能にしたことで、
営業社員にとっては営業先から尋ねられたことを自己解決できる環境となり、
案件の進捗フォローや迅速な問い合わせ対応ができるようにもなりました。
これらによるCXの向上が、顧客満足度向上と収益向上にも繋がることを期待しています。
マーケティング部門における効果
- フォーム通過の情報とサイト回遊情報を組み合わせて見込み客を管理できるようになった
- 広告コンバージョンの成果測定ができる仕組みを作ることができた
- 新規問い合わせについてマーケティング部隊から営業部隊へトスアップする仕組みができた
営業部門における効果
- 新規引合いの対応時に以前よりリッチな情報を収集できるようになった
- 従来は営業担当者から別の担当者に連絡して別システムを更新してもらう必要があったが、
Zoho移行後は営業担当者自身でデータ登録を進められるようになった - 予定と実績を管理することで対応漏れリスクを減らすことができた
管理部門における効果
- 工場別・事業別などに加えて、今まで集計していなかった軸を容易に追加して分析できるようになった
- 年間の予実がリアルタイムで集計できるようになった
- 営業担当者の動きが常に最新の状態で確認できるようになった
- 週次、月次の資料を都度手作業で作成する必要がなくなった
まとめ
各拠点や部署ごとに導入したシステムが「部分最適」を求めたものであったために、
全体を俯瞰的に見たときには数多くのボトルネックを生じさせていたK社様。
多種多様な業務用アプリケーションが使えるZoho Oneにシステム統合・移行したことで、
「部分最適」から「全体最適」に転換でき、様々な情報がスムーズに流れるようになりました。
なお、本件のように移行元のシステムが複数あったり、システムが対応している業務や関係部署が複数あったりする場合は、
各方面から「既存のシステムと同じものをZohoで実現してほしい」という要望が上がるケースが多くあります。
しかし、このような要望をすべて拾い上げようとすると、システム要件や開発期間が膨大になってしまいます。
K社様のような大掛かりなシステム移行で特に大切なことは、はじめから完璧な完成形を目指すのではなく、
「まずは小さく始めてみて、実際に使いながら改善を繰り返し、大きく育てる」ことです。
はじめから完璧な完成形を目指すと、どうしても開発期間は長くかかります。
期間相応の費用を投じて開発したシステムをいざ運用に落とし込んでみたときに、
「実はいらない機能」「ごく一部の個人しか使わない機能」「現場に適さない機能」などが発覚し、
更なる開発が発生する…という問題にもつながりかねません。
また、「今とまったく同じ操作感」を実現しようとするのではなく、
新しいシステム・新しい操作感・新しい業務フローに慣れていただいた方が、
現場での運用も含めたシステム移行の全工程にかかる期間が結果的に短く済み、費用も安く抑えられます。
K社様のケースでは、各拠点ごとの独自ルールを統一するなどのご協力をいただきました。
全社で同じ情報を共通利用できるようになったK社様。
今後はZoho Oneに包括されている様々なアプリケーションを利用し、下記の実現を予定されています。
企業の状況に応じて段階的に機能拡張できるのは、Zoho Oneならではの強みです。
- チャットツールをChatWorkからZoho Cliqに移行
- 生産管理プロセスをZohoで構築・管理
- オンライン会議システムをTeamsからZoho Meetingに移行
- Zoho signで電子契約を実施
- Zoho Assistで社内備品やPCのトラブルを解決サポート
- Zoho Invoiceで請求書対応
- Zoho projectsで工場間の負荷管理の共有を実施
Zoho導入支援実績社数が800社を超える船井総研には、K社様のようなシステム統合実績も多くございます。
システム間の情報連携にお困りの方は、ぜひ船井総研にお問い合わせください!

船井総研はZohoの認定パートナーです!
船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。
「社内の業務をDXしたいけど何から手を付けたら良いかかわからない」
「Zohoと他サービスの違いを詳しく教えてほしい」
「Zoho導入に際しての費用やスケジュール感を聞きたい」
「他社がどのようにZohoを活用しているのか具体的な事例を知りたい」
「レガシーシステムからZohoに移行したい」
など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください!