はじめに

顧客情報はkintoneでしっかり管理しているけど、そこから先の活用ができていない…
そんな話を様々な業種の方からよく耳にします。
顧客情報は手元にあるのに、
- ステージ管理が難しい…
- 点検・定期フォローをつい忘れてしまう…
- 一斉配信やMAをやりたくても、仕組みがない…
このような壁が立ちはだかって活用できない――
と、お悩みの方にこそおすすめなのが、kintoneとZohoの連携利用です!
本コラムでは、実際に連携してみることで見えてきた、現場目線の話をお伝えします。
kintoneだけでは見えなかった“次の一手”
ご紹介するのは、とある施工会社様で実際にあった話です。
A社様では顧客情報の管理にkintoneを導入し、実際に顧客情報を整理することはできていましたが、
実務では「その先」のアクションが見えづらいままとなり、下記の課題が残存していました。
課題1:「このお客様が今どんな状況なのか」がわからない
完工済みなのか、アフター対応が終わったのか、見直しが必要なのか。
kintoneにデータはあるけれど、業務上の“現在地”が一目で分からず、担当者は都度手作業で確認。
課題2:「いつ点検案内すべきか」がわからない
完工後3年、5年、10年ごとに定点フォローをしたくても、
該当者を抽出してくれる仕組みがなく、スケジュールの抜け漏れが常態化。
課題3:「次の提案タイミングはいつが最適か」がわからない
数年経ったから提案?と漠然と考えてはみても、どの顧客が今どのステージにいるのかが把握できず、
提案自体が“担当者の直感任せ”に。
こうした“今いる顧客”へのきめ細かなフォローは、どうしても属人化しがちで、
- 担当者が何年目か忘れて点検案内をしない
- 状況を見誤って適切な提案機会を逃す
- 本来接点を持つべき時期に何の連絡もせずズルズルと放置
といった非効率・機会損失が発生していました。
Zoho連携で変わった現場
これらの問題について船井総研にご相談いただき、kintoneとZoho CRMを連携利用する方法をご提案。
実際にkintoneデータをZoho CRMにシームレス連携させて、下記のような改善策を実装しました。
改善策1:kintone上の顧客情報がそのままZohoに自動反映
重複入力ゼロ、最新情報がそのままZohoにも反映されるので、二度手間がなくなりました。
改善策2:Zoho内で「ステージごとの顧客管理」が可能に
「完工直後」「3年目」「5年目メンテナンス」「10年再提案」など意図したステージに自動振り分けできるようになりました。
改善策3:「完工から◯年目」の顧客だけを即座に抽出
リスト化はボタン一つ。人力でやっていた“探す”作業がなくなり、抜け漏れ防止を実現できました。
改善策4:該当ステージに達したら、担当者に自動通知
Zohoが「このお客様、そろそろ案内時期ですよ」と知らせてくれるので、忘れる心配が消滅しました。
改善点5:メール配信やフォローアクションもそのままZohoで完結
通知を受け取った担当者はZohoからすぐに案内メールやフォローを実行。
運用者の中で“探す→通知→送信”がまるで自動で流れ出すようになりました。
Zoho×kintone連携で、仕事が“回る”仕組みを作る
こうした改善策を実装したことにより、下記の「仕事が回る仕組み」が生まれました。
- 点検漏れゼロに:3年目も5年目も、そのステージになれば必ず通知されるので、抜け漏れがなくなりました。
- 対応スピードが向上:担当者間で引継ぎ・経過が共有され、連携のタイムラグが解消。
- 営業ムラが減少:ステージ管理と通知で誰がどの対応をすべきかが明確に。フォロータイミングにムラがなくなります。
- 機会損失が激減:最適なタイミングでの提案が可能になることで、逃していた案件が“キャッチ”できるようになりました。
結果として、個人のスキルや記憶力に依存することがなくなりました。
「誰でも・自動で当然そうなっている」業務に変わっていったことは最大の成果と言えるでしょう。
属人的な業務からの解放
今回のシステム連携によって、現場担当者の方々からは、
「手入力や抽出の手間がなくなって、ずいぶん楽になりました!」
「何より“やるべきことが決まっている”安心感が違います!」
といった嬉しい声をいただきました。
業務負担が減るだけでなく、誰が担当しても同じ品質の対応ができるようになり、
運営全体に安心感が生まれてもいます。
メール施策が日常業務に自然と組み込まれる
さらに、Zoho CRMだからこそできる追客領域があります。
A社様ではZoho×kintone連携によって下記も実現しました。
ステージに応じたメール配信
案内メール、定期メンテナンス通知、アンケートなど、すべてZohoから直接配信可能に。
開封・反応率の可視化
誰がどのメールに反応したかが可視化されるため、営業フォローの精度が上がりました。
フォロー後の行動追跡
メール開封後に応答があったか、反応がなかったかまで追えるので、次のアクションがスムーズ。
このように、Zoho CRMのマーケティングオートメーション(MA)の機能を活用し、
既存顧客へのフォローに自然につながっていく状態へと変わっていきました。
システム導入は「足し算」ではなく「引き算」
船井総研がシステム導入をご支援するとき、最初の段階で最も重要視していることは、
「今のシステム(kintone)でできていること」
「新しいシステム(Zoho)でやりたいこと」
をしっかり整理することです。
最初は「これもできそう」「あれも活用したい」と足し算になりがちですが、
「現場で回せる範囲」を見極めて、引き算で絞っていく考え方こそが大切です。
この考え方が、無理なく続けられる仕組みをつくる鍵になります。
Zoho×kintone連携を実装したA社の次なる目標
A社様では今後、kintoneとZohoに蓄積されたデータをもとに、
「どんなメッセージが反応がいいのか」
「どんなタイミングが最適なのか」
を分析し、より効果的なアプローチに活かしていく予定です。
なお、Zohoは業務用アプリケーションを多数提供しているため、Zoho CRMを中心に据えることで、
AIエージェントの実装など様々なデータ活用が実現できるようになるのも利点の一つです。
これから導入を考えている方へ
最初から完璧を目指さず、できるところから一つずつ。
「今ある仕組みに、Zohoを少しプラス」くらいの感覚で始めるのがコツです。
もし同じような課題を感じているなら、“まずは一歩踏み出してみる” ことをおすすめします。
ぜひ下記よりお気軽に船井総研にご相談ください!

船井総研はZohoの認定パートナーです!
船井総研では、コンサルティング会社として中小・中堅企業様をご支援する中で、
Zohoを利用した業務改善も多数行っています。
「社内の業務をDXしたいけど何から手を付けたら良いかかわからない」
「Zohoと他サービスの違いを詳しく教えてほしい」
「Zoho導入に際しての費用やスケジュール感を聞きたい」
「他社がどのようにZohoを活用しているのか具体的な事例を知りたい」
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など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください!